公開:2017年02月12日 最終更新:2017年02月13日

ターゲットイヤーファンドとは?運用お任せのお手軽商品!

あなたが確定拠出年金(iDeCo)に手軽さを求めるなら、ぜひとも知っておいて欲しい商品があります。

それが「ターゲットイヤーファンド」です。将来のある年(ターゲットイヤー)に向かって、リスク選好から安定運用へと、運用方針を変更していく投資信託です。

例えば、SBI証券で扱っているセレブライフ・ストーリー2055は、2016年現在の株式投資比率は56%なのに対し、2055年は10%(予定)とゆるやかに変更されていきます。

あなたが将来年金を受け取る頃には債券中心の安定運用になっているはずです。

ターゲットイヤーファンドは運用コストがかかる点がデメリットです。将来できるだけ大きな資産を築きたいと考えるなら、ターゲットイヤーファンドよりも他の投資信託を組み合わせて運用することをおすすめします。

一方、運用方針を考える必要がない手軽さが魅力です。確定拠出年金は勉強することが多いし・・・と感じるなら、ぜひ知っておきたいファンドだと思います。

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ターゲットイヤーファンドとは

ある特定の年(ターゲットイヤー)に向けて、運用方針を緩やかに変更していく投資信託のことです。

例えば、SBI証券の確定拠出年金で選べるセレブライフ・ストーリー2055もターゲットイヤーファンドの1つです。2055年を目標に運用主体を株式主体から債券主体へと変えていきます(図1)。

セレブライフ・ストーリー2055の投資割合推移イメージ(同目論見書より引用)

セレブライフ・ストーリー2055の投資割合推移イメージ(同目論見書より引用)

イメージなので、必ずこのようになるとは限らない点に留意。

2016年現在、同ファンドの株式比率は56%です。今後の予定として、2025年は37%、2035年は26%、2045年は17%、2055年は10%と、あなたが歳をとるとともに株式比率は下がっていきます(図2)。2055年以降は債券中心の安定運用になります。その比率は70%で、うち57%は国内債券で運用される予定です。

セレブライフ・ストーリー2055の投資割合の変化(同目論見書より引用)

セレブライフ・ストーリー2055の投資割合の変化(同目論見書より引用)

円グラフにおける赤いグループ(株式)と青いグループ(債券)の推移に注目してください。この青いグループの割合が増えるほど、運用は安定的になります。

もしあなたが現在30歳なら、2055年(2017年から38年後)はちょうど仕事を引退することです。その時、株式中心のポートフォリオは、将来のあなたにとってリスクが大きすぎる可能性がありますから、より低リスクの債券中心の組み合わせに変更してくれるのです。

参考までに、「投信アシスト」で計算したセレブライフ・ストーリー2055のリスクとリターンの関係を表1に示しました。ただし、セレブライフ・ストーリーが投資するヘッジファンド等はパフォーマンスの計算できないため、計算できる範囲での超概算です。

表1. セレブライフ・ストーリー2055のリスクリターン推移(超概算)

2025年 2035年 2045年 2055年
リスク 13.9% 10.3% 6.8% 3.9%
リターン 7.5% 6.2% 4.7% 3.3%

※リスクとリターンは2017年02月13日現在の公表データに基づく。将来も同じ成績が出るとは限らない点に留意。

リターンは過去の実績に基づき、1年間であなたが得られる可能性が高い利益です。一方、リスクとはそのリターンからのずれです。例えば、2025年のあなたの期待利益は約68%の確率で、投資額の7.5%プラスマイナス13.9%の範囲に収まる、と考えます。

リターンが小さくなると、あなたが将来見込める利益も減ります。一方、リスクが小さくなると、将来相場の変動で大幅に資産を失う可能性も減ります。2055年に向けて両方の数値が小さくなっていることから、利益も損失も小さくなる運用を目指していることがわかります。

ターゲットイヤーファンドのメリットとデメリット

デメリット

運用方針の変更に合理性がない

先にデメリットから紹介します。運用方針の変更に合理性がない点です。

たしかに高齢者は債券中心の運用が良いとも言われます。債券は株式よりも安全性が高く、大幅に資産を失う可能性が少ないからです。

事実、高齢者のよくある失敗談は、ハイリスクな新興国株式などが原因になることも多いです(金融機関がへたなもんを勧めるのも原因の1つですが)。

しかし、将来債券中心運用になったタイミングで、債券が安定的なリターンを生み出すかどうかは、将来になってみなければわかりません。もしかしたら債券相場は悲惨な状況になっているかもしれません。

言い換えれば、最終的にはお金が増えればよいのですから、債券よりも株式が儲かる状況なら、年齢に関係なく株式を買ったほうが良いのです。

ターゲットイヤーファンドはその選択性を封じた投資信託です。カスタマイズしている分だけ、将来利益を得る可能性が減っています。

信託報酬が高い

確定拠出年金用の他の投資信託に比べ、運用コストである信託報酬が高めなのもデメリットです。

例えば、確定拠出年金(iDeCo)を利用した初めての少額資産運用で紹介したDCインデックスバランス(株式20)は信託報酬0.1836%なのに対し、セレブライフ・ストーリー2055は0.6792%です(表2)。積み立てでよく選ばれるDCニッセイ外国株式インデックスの3倍程度のコストがかかっています。

将来多額の資産を形成するためには、信託報酬は安い方が良いです。

表2. 信託報酬の比較

商品名 信託報酬
セレブライフ・ストーリー2055 0.6792%(概算)
DCインデックスバランス(株式20) 0.1836%
DCニッセイ外国株式インデックス 0.2268%

※2017年02月13日現在の公表データに基づく。

メリット

初心者向けにカスタマイズされている点がメリットです。

よく「商品が多すぎて何に投資すればよいかわからない」という悩みがあります。自分で商品を選んで運用しろって難しく感じますよね。

ターゲットイヤーファンドはバランスファンド投資信託お手軽運用術 -バランスファンド入門-)に分類されます。バランスファンドは、その投資信託1つで株式や債券など、さまざまな金融資産に分散投資を行っている商品です。一般的な投資信託よりも手軽に資産形成に利用できます。

セレブライフ・ストーリー2055も国内外の債券や株式の他に、不動産投資信託やヘッジファンドさえも投資対象にしています。この幅広い分散投資のおかげで、あなたがどの商品にどういった割合で投資するか考える必要がありません

先に述べたように、コストがかかるのはネックです。この点を、

  • 資産形成のために下げるべきもの
  • 手軽さとの引き換え

の、どちらで解釈するかで、受け止め方も変わるのではないでしょうか。

ターゲットイヤーファンドの運用例

運用例も簡単に紹介します。といっても定額で積み立てるのみです。

現在のあなたの年齢と、ターゲットイヤーを見比べ、ちょうど55~65歳ごろにターゲットイヤーとなる商品を選定します。ターゲットイヤーが、より将来の年数の名前がついているものほど、現在はハイリスクハイリターンな運用がされています。

例えば、セレブライフ・ストーリー2055はまだ株式中心の積極的な運用がされているのに対して、すでにターゲットイヤーを超えたセレブライフ・ストーリー2015は安定運用に移行しています。あなたが積極的に資産を形成したいならセレブライフ・ストーリー2015を選んでもメリットがありません。

先に述べたように、運用中のメンテナンスはファンド側が行います。あなたが特別何かする必要はありません。基本は毎月掛け金を積み立て続けるのみです。

ターゲットイヤーファンドが向いている人とは

毎日が忙しいあなたに向いていると思います。

本来は計算ツールを利用した確定拠出年金向け投資信託の選び方で紹介したように、いろいろ計算して投資信託を組み合わせるのが最良です。コストもかからず、あなたがどんな投資をしようとしているかも概算できるからです。

ですが、この運用は手間もかかります。いろいろ覚えることもありますし、運用期間中の調整(リバランス)も必要だからです(詳細は元本変動商品(投資信託)の運用で手間がかかること)。

仕事や勉強ばかりで確定拠出年金の本を読む時間も無いのでは?

そこで手軽にさくっと運用できるのがターゲットイヤーファンド。

  • 運用は勝手にやってくれます
  • 専門用語は覚えなくてもいいです

と、言えば魅力的に感じませんか。

まとめ

以上をまとめると、

  • ターゲットイヤーファンドとはファンド側が勝手に運用方針を決めてくれる投資信託
  • 信託報酬が高く、運用方針が最適とは限らないデメリットがある
  • その代わり、とりあえず任せるだけという手軽さが魅力

です。

みかけは違うものの、いわゆるロボアドに近いサービスだと思います。投資先に困ったら、1つ選んでみてはいかがでしょうか。

なお、今回例示したセレブライフ・ストーリー2055は、SBI証券の確定拠出年金プランで選択できる商品です。興味を持ちましたら、あわせてチェックしてみてください。

いつもご覧頂き励みになります。お気に召しましたら是非シェアしてね!

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