銀行預金は投資?賢い人が預金をやめるのはなぜ?

私たちは、小さい頃からお金を溜めて、銀行預金に貯金することを教わって成長してきました。 そのため、無意識的に預金残高を信頼されている方も多いと思います。

一方で、お金を銀行に預けることは、日本円に投資を行うことと同義です。 なぜなら、銀行はそのお金を国債等で運用しているからです。

つまり、あなたが無意識のうちに、日本円に対するリスクを背負っていることを忘れてはいけません。

銀行預金だって、本当は「投資」なんですよ?

公開:2015年11月23日 最終更新:2016年01月13日

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はじめに

あなたは資産運用本などで、銀行預金の危うさを説く記述を目にしたことはありませんか? 「預金だけではリスクがあるから投資を始めよう」と。

預金が危ないって不思議ですよね。

私たちは、小さい頃からお金は貯金しなさいと教わってきたと思います。 また、ある程度成長すると銀行に預金してお金を貯めなさいとも言われるはずです。

それもあって、(無意識的に)預金に絶対的な信頼を置いている方は多いと思います。 あなたもその一人かもしれません。

その一方で、資産運用本では銀行預金の危うさを説いて投資を勧めています。 資産運用と言う観点で見た場合、銀行預金とは単に「お金を貯める」行為ではないからです

余談ですが、記事タイトルはセゾン投信の中野晴啓氏の書籍「預金バカ」をもじったものです。 同書にて、銀行預金の弊害がより詳しく述べられています。

預けたお金の行方

銀行にお金を預け入れると、その後どうなるかはご存知でしょうか?

その答えは、なぜ私たちは銀行に預金することで利子をもらえるのかでも紹介しているとおり、銀行はそのお金を運用します。 銀行にお金を預けても鋼鉄の金庫でがっちり保管されるわけではありません。

銀行の運用状況は各種調査などで見ることができます。

大和総研が2014年11月に発表した「地方銀行の資産運用の動向と今後の課題」によると、2013年で銀行資産の半分は貸出金で、二番目に多い資産は有価証券です。 その有価証券の大半は日本国債です。

地方銀行の資産運用の動向と今後の課題 | 大和総研(pdf)

つまり、私たちが預けたお金の大半は貸付と国債購入に利用されているのです。

重要なので繰り返しますが、銀行は私たちのお金で国債を買っているのです。

私たちは日本円に「投資」をしている

私たちの預金が国債購入に使われるならば、実は私たちが直接国債を買うのとそう大して変わらない。 そう思いませんか?

銀行預金と日本国債投資の違いは、銀行にお金を預ければ、いつでも現金化できることぐらいです。 個人向け国債は、売却に制約があるものの、元本の価格は変わりませんから、利便性が少々劣るぐらいで、やってることは大体同じなのです。

つまり、私たちが銀行預金にお金を預けることは、日本(円)に投資することと同義なのです。

日本円に「投資をしている」ことについて、面白い表現を見つけたため、ご紹介します。

例えばここに一人のアメリカ人男性がいて、日本円で100万円の外貨預金をしているとします。彼はおそらく何らかの意図があって日本円を持っているのでしょう。

さて、彼が行っていることはなんでしょうか?投資でしょうか?貯金でしょうか?

次に、ここに我々と同じ日本人の女性がいるとして、彼女が日本円で100万円の貯金をしているとします。彼女は何らかの思惑があるわけではなく、単に収入の余りを貯金しているだけです。

彼女がやっていることは貯金でしょうか?それとも投資?

暮らしの中のリスク・ヘッジ | 脱成長ブログ

この例を常識的に考えると、アメリカ人男性の行為は「投資」であり、日本人女性の行為は「貯金」です。 しかしながら、預金の多くは貸付や国債購入に当てられるのですから、日本人女性の行為もまた「投資」なのです。

日本への「投資」が失敗するケース

さて、銀行預金を通じて日本(円)に「投資」をしている場合、預金残高は1000万円まで保証されますし、即日入出金可能という利便性があります。 しかし、その投資は万能ではなく、長い目で見ると、投資に失敗するケースも出てきます。

そのわかりやすい事例をご紹介します。

2015年11月12日の毎日新聞で、旧新潟貯蓄銀行(1944年に第四銀行と合併)の100年定期預金が満期を迎えたというニュースがありました。 この定期預金は、大正4年に募集が行われたものだそうです。

年利6%という好利率で、1円を預けると339円になったそうです。 現在はREIT(不動産投資信託)に投じてもせいぜい4~5%ですから、かなり優れた金融商品ですよね。

ただ、この話にはオチがつきます。

現在の貨幣価値は当時と比べると数千分の1から1万分の1。 仮に100年満期を迎えても、今となっては「すずめの涙」程度の額にしかならず、問い合わせてきた持ち主らは、説明を聞くと「記念として保管する」などとして、いずれも解約しなかったという。

第四銀:100年定期満期に 旧新潟貯蓄銀が大正4年募集 | 毎日新聞(リンク切れ)

ご存知のように、日本円の貨幣価値は、円が制定された明治時代から現在までインフレし続けていますなぜ資産運用が必要なのか。将来生じうる2つの問題の米価格を)。 特に太平洋戦争後のインフレを通じて大きく価値が変わりました。

ゆえに、年利6%で運用しても、より高いインフレ率に負けてしまい、その運用益はお駄賃になってしまったのです。

これと同じことが、実は現在も発生しているって知ってました?

大正5年の1,000円は、平成18年換算で約92万円。 つまり、当時の1円はその1000分の1,920円程度です。 過去の貨幣価値を調べる(明治以降) | リサーチナビ

日銀が目指す2%の物価上昇とは

2015年現在の日本の金融政策は2%の物価上昇です。 つまり、インフレを起そうとしています

そもそも、あなたが20代や30代なら、インフレよりもデフレのほうに馴染みがあるかもしれません。

デフレとは物価が下落し、相対的にお金の価値が強くなることを言います。

説明するまでもなく、2000年代の日本では長らくデフレ経済が続いたために、経済の成長が止まってしまいました。 牛丼が安いなど、消費者側のメリットはあったものの、新卒採用率が落ちるなど、その時代が残した爪あとは今も社会に深く影響し続けています。

そのデフレ経済を脱却するため、2013年に日本銀行は2%の物価上昇を目指し、「量的・質的金融緩和」を導入しました。 この政策は、市場へ供給されるお金の量を増やすことで、意図的にお金の価値を落とし、物の価値を上げることを目的としています。 物価が上がれば、企業の売り上げも増えるため、賃金の上昇や企業の設備投資も増え、経済成長が期待できるからです。

量的・質的金融緩和の是非にはいろいろ議論があるものの、実際に消費者物価指数(※)に関しては上昇する傾向もみられています。

仮に2%のインフレ(物価上昇)が実現された場合、今年100万円で購入できるものは、来年102万円になります。 一方、0.02%の銀行預金金利では、100万円の利息は200円なので、来年の預金残高は100万200円です。

つまり、長期的に見た場合に、前述の旧新潟貯蓄銀行のケースと同じことが発生するのです。

最近の資産運用本が投資を勧める理由がここにあります。

消費者物価指数だけでデフレを脱却したかどうかは判別できず、GDPデフレーターなどの指標も見て、総合的に判断する必要があります。

銀行預金が負ける最悪のケース

2%のインフレはマイルドなケースですが、日本ではもっと最悪のケースが起こる可能性も指摘されていることを忘れてはいけません。 それは、国債暴落とそれに伴うハイパーインフレです。

仮に国債の信用が失墜し、債券価格が急落した場合、それを保有する銀行へのダメージは避けられません。

このあたりの話はまた別のページにてご紹介したいと思います。

まとめ

インフレや2%の物価上昇などと言われても、実際なんのこと?と思われる方はゼロではないと思います。 筆者も投資を始めて、この界隈の勉強をするまでは、日銀の金融緩和政策のことすらまったく知りませんでした。

しかしながら、すでに国は動いていますし、量的緩和の影響でドル円相場も大きく円安ふれました。 一説には、世界における円の価値は数十%も低下したとも言われています。

何も知らず、預金残高を絶対値のように思っている人ほど、徐々に苦しくなっていくのが現在の緩和政策です。

仮に2%の物価上昇が実現した将来であっても、欲しいもの買ったり、おいしいもの食べたり、身も心も豊かな生活をしたいですよね。 だから、筆者はなんとか手を打っていきたいと思っていますし、すでに行動しています。

あなたならどう考えますか?

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