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毎月分配型投信で利用されているカバードコール戦略とは何か?

高分配を売りにする毎月分配型投資信託で利用されている投資手法にカバードコール戦略があります。 オプション取引の一種で、「将来決められた価格で商品を買う権利を売る」取引のことを言います。

もし、あなたが毎月分配型投資信託ばかりに好んで投資をしているなら、1つや2つぐらいはカバードコールをやっている投信も混じっていると思います。 カバードコールを利用することでどんな効果があるのか。 ここでは、それについて紹介します。

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公開:2015年07月02日 最終更新:2015年07月02日

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はじめに

1回あたり100円以上の高い分配金を出す毎月分配型投資信託の一部は、カバードコール戦略と呼ばれるオプション取引を利用しています。 「オプションプレミアム」とも表され、何か特別な付加価値があるようにも思えますが、その実体はわかりにくく、しっかり理解するのは難しい取引でもあります。

そこで、本記事ではカバードコール戦略がどういったものか、それによって投資信託にどのような影響があるのかをご紹介します。 もっと詳しく知りたければ、デリバティブ取引のうち、「オプション取引」を学ぶことをオススメします。

カバードコールとは商品を買う「権利」を売ること

カバードコール戦略は、将来、ある決められた価格で金融商品を買う権利を売ることです。 商品そのものの売買ではなく、商品を売買する権利を売買するのです。

例えば以下のような事例を考えてみます。

幻のCDを3ヶ月後に買う約束をしよう

例えば、とある事情で少数ロットしか製造されなかった、時価5,000円(保存状態など価値を低減させる事柄はないものとする)のCDがあるとします。 CDでなくても、レアカードやレアなデータなど「同じ価値をもつ物が市場にあって、将来プレミアがつくかもしれないもの」を思い浮かべてみてください。

私があなたに、

「このCDは3ヵ月後にプレミアがついて中古市場で1万円で売れます。 もし、今1000円を払うなら、3ヵ月後にCDを5000円であなたに譲る約束をします。」

と持ちかけたら、あなたはどうしますか?

この例では、「3ヵ月後にCDを5000円であなたに譲る約束」が、権利の売買です。 また、この約束をするために必要なお金は1,000円です。 もしあなたが1,000円を支払えば、この約束は必ず3ヶ月間有効で、約束を私から放棄することはありません

3ヶ月後にCDが値上がりしてしたら

もし、権利を購入し、本当に3ヵ月後にCDが1万円になれば、あなたは必ず私からCDを5,000円で買うでしょう。 それをすぐに中古市場に売ることで、5,000円の利益を享受できます。 そのかわり、CDを買う「約束料」として1,000円を払っていますので、実際の儲け分は4,000円になります。

一方、CDの売り手になる私は、せっかく1万円まで値上がりしたCDを5,000円で手放さなければいけません。 CDの価格がどんなに急騰しても、儲けは約束料としてもらった1,000円しかありません

3ヶ月後にCDが値下がりしてしたら

もし、3ヵ月後のCDの価格が3,000円になっていたら、あなたは必ず5,000円で買う権利を放棄するはずです。 なぜなら、市場で3,000円で買えるのですから、CDを買う権利として支払った1,000円は損失となっても、5,000円で私から購入するよりも市場から買うほうがお得だからです。

一方、CDの売り手になる私は、あなたから1,000円を受け取るものの、CDの時価は2,000円の含み損になります。 ゆえに、仮にCDの価格が3,000円なら1,000円の損失、2,500円なら1,500円の損失になります。

しかしながら、もしCDの価格が2,500円だったならば、CDの含み損は500円ですが、約束料1,000円のおかげで最終的な損益はプラス500円になります。 CDの価値は下落してしまったものの、トータルでは儲けを出せた形になります。

ファンドは金融商品を買う権利を売る

上記で、「私」の立場になるのが毎月分配型の投資信託です。 すなわち、

  • 権利を約束した後に株式やREITなどの資産価値が上昇すれば、約束料はもらえますが、値上がり益は放棄
  • 権利を約束した後に株式やREITなどの資産価値が下落すれば、約束料と資産価値の下落分の和が最終的な損益
  • 資産の下落がわずかならば、受け取った約束料のおかげで最終的に利益が出る可能性

という特徴にまとめることができます。

これがカバードコール戦略です。

取引の特徴から、これから資産が値下がりすると予測される場合に利用することで、値下がり局面での損失を軽減し、あわよくば利益を出そうとします。 その代わり、予想に反して資産が値上がりしてしまった場合には、その値上がり益を全て捨ててしまうことになります。

オプションプレミアムとは約束料のこと

目論見書で記載されている「オプションプレミアム」とは、本記事で言う約束料のことです。 実際には、オプション料プレミアムと呼びます。

プレミアムというと何か特別な印象を持ちますが、実際は取引上の用語であって、何か特別なものを表すものではありません

カバードコール戦略を行う投資信託はどうなるか

仮に資産が値上がりしても、ある一定価格で売ってしまうために、資産の値上がり益を享受できない場面もでてきます。 そのため、おそらく基準価額はあまり上昇しないことが多くなるように思えます。

事実、カバードコールを利用する投資信託は、設定来から基準価額が下がり続ける傾向にあります。 分配金は確かに魅力的ですが、一方で基準価額の含み損も増えていきますから、実質的な儲けはあまり多くならないはずです。

オプションプレミアムは確かに下落局面での基準価額の下げを緩くする効果があります。 しかし、オプションプレミアムをもらっても、資産価値の下落を完全に止めることはできませんので、下げが大きければ、その分だけ基準価額も落ちます。

ゆえに、基準価額はあまり上昇しないが、下がるときは下がるというのが筆者の考えです。

そもそも、オプション取引などやられては基準価額の将来の値動きを予想できないので、投資しにくいのが難点です。

まとめ

カバードコールについて、なかなかわかりやすい説明が無かったので、自分でまとめてみましたが、参考になりましたでしょうか。 実際の価格設定はもう少し複雑な話になりますが、投資信託の目論見書を読むだけであれば、どういった取引がされているかだけを押さえておくよいと思います。

カバードコールに加えて、高金利通貨を利用した運用もまた、高分配投資信託で利用される取引手法です。 ぜひ、あわせてご覧ください。

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