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「人気があるから」という選び方はおかしい -日本株アルファ・カルテットを例に-

投資信託選びでは、

  • 人気が有るから買う
  • 人気がないから買わない

と考えている方がいらっしゃいます。 が、そのような選び方は正しい選び方ではありません。

本記事では、2014年~2015年と売れに売れまくった投資信託「大和住銀-日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」を例に、人気の投資信託が必ずしも運用面で優れた特徴を持つものではない点をご紹介したいと思います。

人気のファンドは「何故人気なのか」と客観的に分析した上で、買うかどうかの判断をすることをオススメいたします。

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公開:2016年04月01日 最終更新:2016年04月05日

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はじめに

投資信託の選び方において、他人が興味を示しているかどうかに基準を置いて選ぶ方が少なからずいらっしゃいます。

  • 人気が有るから買う
  • 人気がないから買わない

しかし、あなたならご存知のように、このような選び方は好ましくありません。 株式と異なり、人気のあるファンドの基準価額が上昇するとは限らないからです。

ここでは、なぜファンドを人気だけで選んではいけないかと題して、2014年2015年と売れに売れまくった「大和住銀-日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」を例にご紹介したいと思います。

ご存知だと思いますが、日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)は、日本株に投資を行う毎月分配型の投資信託で、当初は1万口あたり300円という高い分配金額が話題になりました。 今でも、ランキング上位によく顔をだしています。

アルファ・カルテットの仕組みを説明できるか?

改めて筆者が説明するまでも無いのですが、このファンドはかなりすごい仕組みになっています。 あなたはアルファ・カルテットの仕組みを理解し、説明できるでしょうか?

ここでは、おさらいとしてまとめてみます。

日本株への投資

アルファ・カルテットは日本株へ投資を行う株式ファンドです。 つまり、定性的には日本株の株価が上昇すれば、基準価額が上がりそうなファンドです。

ただ、ちょっと待ってください。

2016年3月9日現在の組み入れ上位銘柄は、日本電信電話、トヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャルグループなど、日経平均株価とは異なる銘柄構成になっています。 日経平均株価が上昇しても、必ずしも値上がりするとは限らないのが特徴です。

ベンチマークも無いので、その運用成績が良いのか悪いのかを何かと比較することは出来ません。 この時点ですでにグレーな香りがします。

為替取引

アルファ・カルテットは通貨選択型の投資信託って何?で示した通貨選択型に「近い」特徴を持ちます。 通常、通貨選択型は投資家自身が取引通貨を選択するのですが、アルファ・カルテットは運用側が任意で通貨を切り替える仕組みになっています。

いずれも、お金の一部でFXのような為替取引をやっているようなイメージです。

一般に通貨選択型は、新興国の高金利通貨がその取引対象に選ばれることが多いです。 現在のアルファ・カルテットはブラジル・レアルがその取引対象です。

今のブラジルってどんな状況なのかご存知ですか?

ブラジルは今年2016年にオリンピックが控えていますが、どちらかと言えば活気よりも混乱に満ちている国です。 原油安や政権腐敗の影響で、2014年ごろには1ブラジルレアルあたり45円程度だったのが、現在は31円(!)程度になってしまいました。

私のブラジルレアル建て債券のお金返してください笑

投資信託で為替取引を行っている場合、対象国の通貨(ここではレアル)に対して円高が進むと資産価値は目減りします。 アルファ・カルテットの基準価額が戻さない理由の1つです。

カバードコール戦略(株式・通貨)

単に通貨選択型のファンドならまだかわいいほうです。 筆者もたまにそういう投資信託を買ったりします。

が、アルファ・カルテットはこれだけではすみません。 カバードコール戦略を忘れてはいけません。

カバードコール戦略とは、毎月分配型投信で利用されているカバードコール戦略とは何か?で示すように、基準価額はあまり上昇しないが、下がるときは下がる効果を持つ、と筆者は考えています。

一般に、通貨選択とカバードコールを併用する投資信託は三階建てと呼ばます。 このような投資信託は、「買ってはいけない」系の投信本で必ず出てくるほどに悪名高いです。

アルファ・カルテットの場合、株式・通貨ともにカバードコールを利用するため、三階建てではなく四階建てです。 よくこのような仕組みを考えるものです。

そして高い分配金

そして忘れてはいけないのが、高い毎月の分配金です。 最近でこそ200円に下がったものの、設定直後は毎月300円という、とんでもない分配金額が設定されていました。

毎月300円の分配金は、年間で3,600円なので、利回りは36%(!)です。 東証一部上場銘柄の平均配当利回りはせいぜい1.5~2%程度がいいところなので、利回りは36%には遠く及びません。

ブラジルレアルの金利は2016年3月現在で14.25%で、平均配当利回りと併せて考慮しても、やはり36%の利回りには及びません。

というわけで、残りの不足分はほとんどカバードコール戦略によるオプションプレミアムによるところが大きいです。

オプションプレミアムによる年率の利回りはなんと40.1%(!)と、とんでもない数字です。 分配金健全率などの数値はこのあたりの成果が効いてそうですが、言い換えれば本ファンドがほとんどオプション取引で利益を出しているとも言えると思います。

日本株へ投資するファンドなのに、分配金のほとんどの出所はオプション取引という・・・。 ヘッジファンドのようなファンドに投資をしている、と言っても良いかもしれしませんね。

その是非はともかく、高い分配金はアルファ・カルテットを常に上位ランクに持ってくるだけの力を持っています。

本記事執筆時の2016年4月1日時点で、SBI証券では販売ランキング3位です。 もちろん、エイプリルフールではありません笑

設定からの成績はマイナス

このような凄そうな仕組みを持つにも関わらず、アルファ・カルテットの設定来からの成績はマイナスです。 少なくとも、設定当初に買った人達はみな損しているのです。

SBI証券のページでは、設定来からのトータルリターンも併せてチェックすることが出来ます。 それによれば、2016年2月29日時点での設定来の成績は-16.49%とマイナスです。

繰り返しますが、設定時に買った人はみな損をしているのです。

投資信託は、たしかに買うタイミングによって個人ベースでの成績が変わりますので、このファンドを買って利益を出した人もいらっしゃるはずです。 例えば、2016年2月16日の基準価額(3817円)で購入できていれば、今頃585円の利益が出ているはずです。

なお、同タイミングでニッセイ日経225インデックスファンドを購入していれば、892円の利益が出ますが。

過去の運用成績は必ずしも将来の成績を保証するものではないので、「今後利益が出続けるかもしれない」という反論は十分承知です。 たしかにその可能性はありますが、将来の見込みを予想する際にカバードコールのような不確定要素が多すぎるのは少々問題です。

また、過去の成績を見極めるにしても、ベンチマークが無いために、それを行うには手間がかかります。

前を見ても、後ろを見ても、なんだか良くわからない部分が多いのです。

人気ファンドは優れているとは限らない

インストックネットはできるだけ、「各位が好きなものを選べば良い」というスタンスで運営したいと思っています。 ので、上述のような特徴があっても、あなたが欲しいと思うのでしたら、それは投資して良いと筆者は考えます。

が、客観的に見て、この点だけは挙げておきたいと思います。

アルファ・カルテットは個人投資家に優しくない!!!

その理由は、上述の複雑怪奇な仕組みです。

運用成績を検証しようにも、ベンチマークも何も無いですし、そもそもオプション取引の影響も多いために基準価額の先行き予想がまったく立ちません。 そして、そこまで複雑なことをやっていても、実はトータルリターンで損をしていた、というのがこのファンドの特徴です。

ここから言えるのは、人気ランキングに顔を出す投資信託が、

  • 個人投資家目線で作られていて
  • 運用成績が良い

とは限らない、という点です。

このようなランキング上位の投資信託を選ぶ際には、なぜ人気が有るのかと思いをめぐらせる必要があるのではないでしょうか。

なお、途中で触れませんでしたが、アルファ・カルテットは信託報酬が1.902%程度と高いのも1つの特徴です。 運用に回らないお金が多くなるのは、イコール私たちの損失に繋がりますから、それはあまりよろしくありません。

余談ですが、投資信託の償還に関する考え方。個人的には無期限派にも書いたように、アルファ・カルテットの運用期間は5年と短く、2019年には償還予定です。 筆者は、このファンドが最初から基準価額が低迷することを想定の上で設定されたと予想しています。

理由は、筆者のような無知の人間でさえ、本ファンドの分配金が、日本株の配当金とレアルの金利だけでは足りないことは簡単に予想できます。 最初からオプション取引依存になることは明白なのですが、投資に100%はありえませんから、その分だけ基準価額は下がるだろうと予想できると思います。

もし、オプション取引に強い運用者が在籍していて、分配金を出しても基準価額を高く維持できるだけの利益を出し続けられるなら、一個人やグループの能力に依存しすぎる時点でリスクが高すぎです。 また、そういう能力があれば、普通は機関投資家(というサラリーマン)よりも専業の個人トレーダーをやったほうが、お金を得られるんじゃないかとも考える事ができます。

まとめ

以上のように、人気ランキングに顔を出す投資信託が、必ずしも投資家目線で作られた好成績のファンドとは限らない点に注意が必要です。 繰り返しになりますが、なぜ人気が有るのかと客観的に分析を行う必要があるように思います。

特に投資信託は、その独特の仕組みのせいか、内容云々よりもとにかく儲かるファンドを教えて欲しいと考える人達が少なからずいらっしゃるようです。 なるべく失敗しない、上手い運用をしていくには、投資信託の特徴そのものをしっかり見て行く必要があると筆者は考えます。

と、偉そうなことを書いていますが、それでも筆者も運用損を出したりはしますけどね笑

それでも、さすがにアルファ・カルテットは買えないです。

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長期投資派の30代兼業投資家です。 投資を始めた初期は短期売買でガツガツと利益を追っていましたが、毎日売買するのは疲れるため、数ヶ月で飽きてしまいました。

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