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積立投信はリーマンショック級の下落相場でも利益を出せるのか?

積立投信は上手く行く可能性の高い投資方法の1つですが、それでも「リーマンショック級の下落相場が来たら?」といった不安は付き物です。

そこで、リーマンショック以前から運用されていたSMTグローバル株式インデックス・オープンの基準価額データを利用し、当時の相場で利益を出せたのかどうかを算出しました。

その結果、仮に2008年8月から2009年の9月まで積み立てを続けていたならば、投資家は利益を手にします。 2009年9月の基準価額は2008年8月の半値にも達しませんが、最もどん底の期間の積み立てによって、取得単価を大幅に引き下げたためです。

仮に、そのまま現在まで積み立てを継続してれば、投資額は1.5倍程度になっていたはずです。

私たちが将来の相場を予測できるなら、下落相場前に売り仕掛けることで莫大な利益を獲得できます。 しかし、そのような運用が難しいなら、積み立てを継続しながら、次の上昇相場を待つのが良いです。

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公開:2016年10月01日 最終更新:2016年10月01日

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はじめに

最近(2016年10月現在)のインストックネットでは、万人にオススメの資産運用方法として積立投信を推しています。

株の短期売買で利益を出すには天才的な才能が必要ですが、市場の平均的なスコアを目指す積立投信なら、機械的に積み立てて、あとは市場の流れに身を委ねればよいからです。

とはいえ、じゃあ「リーマンショックみたいなことになったらどうなるのよ?」という不安は付き物。 投資したお金が減ったら悲しいですよね。

そこで、過去の投資信託の運用実績を元に、リーマンショック期に投資していたらどうなったか?をご紹介します。

個人的にも驚いたのですが、意外となんとかなるものなんですね。

検証条件

リーマンショック前から運用されていた三井住友TAM-SMTグローバル株式インデックス・オープンを利用します。 SMTグローバル株式インデックス・オープンは、資産運用はこれがオススメ!初めてでも大丈夫!でも触れている、MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資信託です。

端的には、世界経済が発展すれば基準価額が上がります。

今回、このファンドに2008年8月から毎月1日に2万円積み立てたと仮定します。 この翌月、米リーマンブラザーズの破綻とともに世界的株安が発生し、長期にわたって株価が低迷します。

投資ブームに乗せられて、最後の最後に天井で始めてしまった個人投資家、といった設定です。

検証ソフトには筆者作成のエクセルVBAを利用した積立投資信託用シミュレーションソフトを、また基準価額データはSBI証券より取得しています。

投資家はリーマンショック期を生き延びるか?

では、最初に2008年8月から2009年9月までの積立結果からご紹介します。

ここでは、当初は基準価額が下落し続けるなかでも積み立て続けたものの、いつまでも基準価額が戻らないために怖くなってやめてしまった、という想定をしています。

この間の基準価額は図1です。

SMTグローバル株式インデックス・オープンの基準価額推移(2008年8月から2009年9月)

図1. SMTグローバル株式インデックス・オープンの基準価額推移(2008年8月から2009年9月)

ご覧のように、2008年8月に9000円台だった基準価額は、同年末までに半値の4500円台まで下落しました。 その後は緩やかに値を戻すものの、2009年9月の時点ではまだ下落幅の半値戻しにも至らず、6000円ちょっとをうろうろする状況が続きました。

では、この時の損益はどうなると思います?

実は、基準価額は半値に戻っていませんが、保有している投資信託の時価はプラスになっています。 その損益分岐ラインが図2です。

損益分岐ライン

図2. 損益分岐ライン

図2では、2009年9月末時点の積立口数で、基準価額が約5800円を超えるとプラスの時価、5800円以下だとマイナスの時価になることを示しています。 意外なことに、基準価額は半値以下であっても運用成績はプラスなのです。

この投資家は投資を始めておおよそ数ヶ月間はマイナスの評価額を抱えていました。 が、リーマンショックから1年後にはプラスの評価額に転換し順調な運用となったのです。

ちなみに、日本ではこの時期自民党の麻生政権から民主党(当時)の鳩山政権に移り、数年にわたり株価の低迷時代が続きました。 もしこの投資家が日本株(225系のインデックスファンド等)に積み立てていたら、評価額がマイナスの期間はもうしばらく続いたはずです。

リーマンショック後も積みたて続けたらどうなった?

仮に、この投資家がリーマンショック後も積み立てをやめることなく、2016年9月末現在まで積み立て続けたらどうなったでしょうか。それが表1です。

表1. SMTグローバル株式インデックス・オープンに2008年8月1日から2016年9月まで積み立てた場合の損益

商品名 積立回数
(積み立て金額)
時価 損益
SMTグローバル株式IO 97回
(1,940,000円)
2,966,876円
(+53%)
+1,026,876円

※2008年8月1日から2016年9月までの毎月1日に20,000円ずつ積み立てたことを想定し算出。 1日が休日や休業日の場合は翌営業日の基準価額を利用。

※評価額算出に使った基準価額は2016年9月30日時点(1万口当たり12,390円)

ご覧のように、リーマンショック後の世界的株価低迷期から、その後の株価上昇相場を有効に利用できたため、結果として大きな利益を得るに至っています。 おそらく積み立てを始めた直後に発生したリーマンショック期には、現在このような損益になることを予想すら出来ないはずです。

ちなみに、実は2013年以降はあまり大きな利益が出ていません表2

表2. 2013年~2016年の各年9月末実時点での含み益の額

時価 損益
2013 2,285,396円 1,065,396円
2014 2,533,982円 1,073,982円
2015 2,740,564円 1,040,564円
2016 2,966,876円 1,026,876円

※2008年8月1日から2016年9月までの毎月1日に20,000円ずつ積み立てたことを想定し算出。 1日が休日や休業日の場合は翌営業日の基準価額を利用。

※評価額算出に使った基準価額は2016年9月30日時点(1万口当たり12,390円)

これは2015年以降基準価額が伸び悩んだためです。 2015年の購入分が、2016年の評価額押し下げにつながっています。

このように積立投信は基準価額が下落したタイミングでこそ積み立てを継続することが重要であることがわかります。

将来値上がりが見込める投資信託を

前章で、「基準価額が下落したタイミングでこそ積み立てを継続する」と紹介しましたが、これには1つ暗黙の条件が付きます。 最終的に基準価額が上昇することです。

例えば、毎月分配型が積み立てに向かない理由の1つは、毎月分配型の投資信託はなぜ基準価額が下がり純資産が増えるのかで触れたように、基準価額が右肩下がりになりやすいからです。

たとえ、短期的な暴落相場で積み立てたとしても、最終的に相場が戻ってこなければ評価額はプラスになりません

故に積立投信で推奨されるのは、世界分散投資でリスクが分散されたインデックスファンドや投資信託お手軽運用術 -バランスファンド入門-で紹介したバランスファンドなのです。

資産運用はこれがオススメ!初めてでも大丈夫!で紹介するMSCIコクサイ・インデックスに連動するファンドも、世界22カ国に分散投資された投資信託です。 いずれも、世界経済が右肩下がりで低迷し続けることは考えにくいため、他の下手なファンドを選ぶよりはうまく行く可能性が高いのです。

下落相場は数年に1回は訪れる

おそらく、リーマンショック級の下落相場は今後も発生します。

  • バブル崩壊(1990年頃 / 日本)
  • ITバブル崩壊(2001~2002年 / アメリカ)
  • リーマンショック(2008年 / アメリカ)
  • チャイナショック?(20xx年 / 中国)
  • ドイツ銀行ショック?(20xx年? / ドイツ)

ここ最近は、数年から10年に1回程度、市場を揺るがす大きなニュースが発生し、世界的な株安イベントが発生しています。 自然に考えれば、将来も同じようなイベントが起こりうるはずです。

もしあなたが将来の相場を予想できるなら、マネー・ショート(原作は「世紀の空売り」)のように売りを仕掛ければ、莫大な利益を手にできます。

ですが、機関投資家でもなんでもない私たちが1ヵ月後や来年の相場を予想できるでしょうか。

故に、私たちが出来るのは淡々と積み立てを継続しながら、嵐が過ぎ去るのを待つのみです。 嵐が過ぎ去ったときにはこれから利益をもたらす黄金の産声が聞こえるはずです。

まとめ

以上です。まとめると、

  • リーマンショックの世界的株価低迷期でも積立投信を続ければ利益は出せる
  • 積み立てる投資信託を選ぶ際には、最後に基準価額が上昇しそうなものを選ぶ
  • 自然に考えれば将来もリーマンショック級の下落相場は生じるはず

です。

ちなみに今回計算に利用した、SMTグローバル株式インデックス・オープンは長期の積立投資に適したファンドの1つです。 アメリカを始めとする先進22カ国の株式(日本は含まない)へ投資を行います。

同じテーマでもう少しコストパフォーマンスを意識するなら、ニッセイ外国株式インデックスファンドやiFree外国株式インデックスがオススメです。 いずれも、投資信託を扱うネット証券なら購入できますので、投資先に困ったら是非チェックなさってみてください!

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長期投資派の30代兼業投資家です。 投資を始めた初期は短期売買でガツガツと利益を追っていましたが、毎日売買するのは疲れるため、数ヶ月で飽きてしまいました。

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