10万円で始める株式投資編

つなぎ売り(クロス取引)を利用して株主優待をお得に取得する方法

株主優待を取得する際に信用取引を利用すると、株価の変動リスクなしに株主優待を受け取ることが可能になります。 これは、現物買いと信用売りを組み合わせ、権利落ち後に現渡しと呼ばれる手法で決済する、つなぎ売り(クロス取引)を利用します。

つなぎ売り(クロス取引)では権利確定日に現物買いと信用売りをそれぞれ成行を注文するのがコツです。 それぞれのポジションが同じ株価になるため、権利落ち後に株価が下落した分だけ、信用売りの含み益になります。

ただし、つなぎ売り(クロス取引)は必ずしもうまくいくとは限りません。

同じ取引手法を考える個人投資家は多いため、皆が空売りを行うと株不足になってしまう可能性があります。 株不足になると品貸料(しながしりょう。別名「逆日歩」。ぎゃくひぶと読みます)が生じてしまうからです。

品貸料はしばしば株主優待の価値以上の値段になる場合もあります。 もともと現物買いだけで取得したほうが良いのかもしれませんね。

公開:2016年11月13日 最終更新:2016年11月13日

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はじめに

株主優待をお得に取得できる(かもしれない)取引がつなぎ売り(クロス取引)です。 詳しくはこれから紹介しますが、現物取引と信用取引を併用することで、株価変動のリスクを抑えて株主優待を取得できます。

つなぎ売り(クロス取引)を行うためには、信用取引口座が必要です。 以下では、それを開設した前提で話を進めていきます。

なお、信用取引の始め方は、信用取引の始め方。現物の株取引とは何が違うのか?をご覧ください。

つなぎ売り(クロス取引)とは何か

つなぎ売りとはクロス取引とも呼ばれ、現物の買いと信用の売りを利用した取引手法です。

信用取引で借りた株式やお金は、反対売買のほかに現渡し(げんわたし)や現引き(げんびき)といった手法で決済することが出来ます。 ここで利用するのは、信用取引で売った銘柄を現物の銘柄で決済する現渡しです。

つなぎ売りの手法

権利確定日当日の寄り付き前に、成行で現物買いと信用売りの注文を行います。 権利落ちとなる翌日に、現渡し(げんわたし)と呼ばれる方法で決済します。

  1. 現物で株主優待銘柄を買っておく
  2. 同一の株主優待銘柄を空売りする
  3. 権利落ち日に現渡しにて決済する

現物で株主優待銘柄を買っておく

株主優待を欲しいと思う株主優待銘柄(以下、A株と称します)を現物取引で購入します。 信用取引で株主優待と配当金は貰うことができる?で触れたように、信用買いでは株主優待は受け取れないため、必ず現物にてA株を買ってください

同一の株主優待銘柄を空売りする

先ほど購入したA株の空売り(空売りとは?下落相場で使える先売り後買い手法!)を行います。

この状態で権利確定日を迎えて、株主の権利を獲得します。

権利落ち日に現渡しにて決済する

理想的に取引できれば、現物で買ったA株と空売りしたA株は同じ取引価格になっているはずです。

  • 1株500円で現物買い
  • 1株500円で信用売り(空売り)

権利落ち日には現物買いしたA株は値下がりするでしょうが、空売りしたA株は逆に含み益になっているはずです。

これを現渡しと呼ばれる手法で決済します。

現渡しは、空売りしたポジションを新たに買い戻すのではなく、手元の株式で決済する取引方法です。 今回のケースでは、500円で空売りしたポジションに、500円で現物買いした株式を現渡しするため、株価の損益はゼロになります。

ただし、信用取引の始め方。現物の株取引とは何が違うのか?空売りとは?下落相場で使える先売り後買い手法!でも触れたように、空売りには相応のコスト(貸株料や逆日歩など)が発生します。 これらを完全にゼロにすることはできません。

そのため、そのコスト分だけはマイナスになってしまうものの、株価の変動は関係なしに株主優待を受けることが可能になるのが魅力です。

これが、つなぎ売り(クロス取引)です。

この方法で株主優待を受けるには、権利確定日の4営業日前に現物の買い注文と信用の売り注文を同時に入れることが重要です。

同じことはみんな考える?

ここまでは理想的に株主優待を受け取れる前提で話を進めましたが、必ずしも理想的にいかないケースもあります。 それは、空売りとは?下落相場で使える先売り後買い手法!で触れた、株不足になるケースです。

多くの個人投資家が空売りを仕掛けると、株不足になる可能性が高まります。 株不足になると、品貸料(逆日歩)が生じてしまい、空売りのコストが高くなってしまいます。

品貸料はわずか1日の取引でも生じます。 1株あたり10円以上の品貸料が生じる場合があるので、実は「普通に売買したほうが安かった」なんてオチがつくかもしれません。

高額な株主優待になったケース

2012年の音通(証券コード:7647)

2012年の音通(証券コード:7647)の9月の権利確定では、324,000株の株不足が生じ、1株あたり18円の品貸料が発生しました。 その結果、つなぎ売りを行った個人投資家らは高額な品貸料を支払うこととなりました。

同社の株主優待は3,000円相当の麺類です。 優待対象になるには、5000株以上(2016年11月13日時点で17万円の投資が必要)の保有が必要です。

一方、1株18円の品貸料が生じたため、18円 × 5000株で9万円の品貸料を支払うこととなりました。

2016年のトラスト(証券コード:3347)

2016年のトラスト(証券コード:3347)の9月の権利確定では、1株あたり12円の品貸料が発生しました。

同社の株主優待は3,000円分のギフトカードで、1000株以上の保有が必要です。 ゆえに、12,000円を支払って3,000円分のギフトカードを入手した計算になります。

品貸料を回避するには?

NIKKEI STYLEにて紹介されていた方法をご紹介します。

クロス取引の落とし穴、くせものの「逆日歩」を予想 | NIKKEI STYLE

  • 過去の品貸料発生状況をチェック
  • 注文前の売買気配からチェック

空売りは気配値(気配値とは?あの表はどのように見ればいいの?)の売り気配として表示されます。 際立って売り注文が増えている場合には、つなぎ売りを狙う投資家が多いと予想できるそうです。

気になる優待銘柄は、普段から「板」を見るなどして定期的にチェックして行くのが良さそうですね。

まとめ

以上です。 まとめると、

  • つなぎ売り(クロス取引)は権利確定日に現物買いと信用売り(空売り)を成行で注文
  • 権利落ち日に空売った株式を現渡しにて決済することで株価の変動リスクをゼロにできる
  • 高額な品貸料(逆日歩)の発生に注意

です。

株価のリスクはゼロにできますが、一方で高額な品貸料(逆日歩)で損失を出してしまうのは不本意です。 必ずしもお得に取得できるとは限らないとの前提の上で取引されることをオススメいたします。

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筆者情報

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30代兼業投資家。株式と投資信託中心に少額投資中。

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