毎月分配型の投資信託はなぜ基準価額が下がり純資産が増えるのか

\シェアしてください!/

毎月分配型の投資信託が基準価額が下がり、純資産が増えるトレンドを示す理由は、

  • 基準価額の下落・・・分配金の過剰分配
  • 純資産の増加・・・分配金目当ての投資家の資金流入

です。
このような投資信託は高額な手数料を設定していることも多く、資産運用には適していません。

それでもあなたが毎月分配型への投資を志すなら、分配金の多くは特別分配金(分配型投信から分配金を貰うときに注意しておきたいこと)になることを覚悟して運用する必要があります。

一方、あなたが長期的な資産形成を目指して投資信託を選んでいるならば、分配金が出さない無分配のインデックスファンドを選ぶことをオススメします。

スポンサーリンク

はじめに

毎月分配型の投資信託を購入して運用している個人投資家はたくさんいらっしゃいます。
彼らのよくある悩みに、基準価額は減少し総資産は増加するのはなぜかがあります。

筆者のブログにそういった検索が多いのです。

あなたが毎月分配型の投資信託を手にしていれば、おそらく同じ疑問を持っているはずです。

以下では、いくつかのファンドを例に挙げながら、

をそれぞれ紹介します。

基準価額が下落するのはなぜか

最初に基準価額について。

投資信託の選び方③。基準価額と純資産だけで選ぶ方法で総資産と口数から算出できると紹介した基準価額は、投資家である私たち一人当たりの資産の値動きをチェックしやすい利点もあります。
ファンドの会計だけを見ても額が大きすぎて何がなんだかさっぱりわかりませんが、桁を減らして1万口ベースで考えれば、投資信託の収入や信託報酬がどのくらいなのかがわかりやすくなるのです。

もちろん分配金についても1万口ベースで考えるとわかりやすくなります。

さて、この基準価額の下落要因には

  • 株や債券などの時価が減少
  • 分配金出し過ぎ
  • 運用中の信託報酬

があります。
このうち、毎月分配型が基準価額を落とす大きな理由は分配金の出し過ぎです。

US-REITオープン(ゼウス)のケース

例えば、著名なREITファンドである新光投信のUS-REITオープン(ゼウス)は、基準価額が3,500円程度で1万口あたり75円の分配金が設定されています。
ゼウスは毎月分配型ですので、まともに分配金を出すには毎月75円の収入が必要です。

しかし、2015年10月期~2016年3月期にファンドが得た収入は1ヶ月あたり1〜20円程度でした。
これでは設定された分配金を賄うことができません。

そこで、ファンドは過去に得られた収入で分配金の足りない額を補填し、投資家に分配します。

このことは、毎月1〜20円程度の基準価額上昇要因と、毎月75円の基準価額下落要因が同居していることを示します。

あとはどちらが勝つかの簡単な算数です。

もし、ゼウスの分配金が1ヶ月10円なら、そこまで基準価額は下落しないはずです。
収入と支出がつりあうからです。

ファンドが保有する資産ポートフォリオの利回りはおおよそ3.4%程度です。
現在の3500円程度の基準価額なら、年間120円の分配はおおよそポートフォリオの利回りと同値になります。

毎月10円の収入があり、分配金も毎月10円なら、分配を理由に基準価額が下落することはなくなりますよね。

総資産が増加するのはなぜか

さて、このようなファンドであっても純資産が増えていくのは不思議なことです。
そこだけを見れば、成績がよい優良ファンドなのかと誤認してしまいます。

しかし、実際はそうとは限りません。

純資産の増加要因には

  • ファンドが保有する株や債券の評価額の増加
  • 配当金や分配金をファンド内部に溜め込むことによる金銭の増加
  • 投資家の資金流入

があります。毎月分配型の投資信託が純資産を爆発的に増やすきっかけは分配金の新規設定や増額が理由になることが多いです。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)のケース

例えば、2015年2月に設定された米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)は一時分配金額が300円の超高分配ファンドとして人気になりました。
「人気があるから」という選び方はおかしい -日本株アルファ・カルテットを例に-で紹介した日本株アルファ・カルテットとコンセプトの似た「兄弟」ファンドです。

米国株アルファ・カルテット(毎月分配型)の純資産は当初8億円からスタートし、第3期末まではおおよそ8億円のままで推移しました。
しかし、最初の分配金が出た第3期末以降設定口数は急増し、第3期末から第5期末のわずか2か月の間に純資産も口数も約2倍になってしまいました。

一方、第3期末から第5期末にかけて基準価額は約250円の下落です。
純資産は増えた一方で基準価額は下落したのです。

基準価額の下落のうち、おおよそ110円はファンドの収入不足で、分配金を当月外の収入に依存したことに由来します。
その他の下落はファンドが保有する株式の時価が低下したことなどが原因です。

先ほどのゼウスも同じです。

ゼウスの2015年10月期~2016年3月期は純資産がおおよそ1.3兆円程度で安定しているのに対し、口数だけは3.017兆口から3.447兆口と増え続けています。
この口数の増加は、それだけ個人投資家が受益権を購入したことを示します。

口数は増えたのに純資産は増えなかったのは、過分配や保有しているREITの下落などが原因です。

基準価額は減少し総資産は増加する理由

これらをまとめると基準価額の変動要因は、

  • 株や債券などの時価が減少
  • 分配金出し過ぎ
  • 運用中の信託報酬

なのに対し、純資産が増える要因は

  • 分配金利回りの高さにつられて個人投資家が買ってしまう

ためです。
その結果、基準価額は減少し、総資産は増加する変化を示すことになります。

このことは、純資産の増加は必ずしも投資信託の成績の良さとは結びつかないことを意味します。
投資先を選ぶ際に「純資産が増えているから・・・」と考えていたりしませんか。

私たちが選ぶべき投資信託

これを踏まえ、私たちが選ぶべき分配型投資信託を考慮してみます。
幸いなことに、上記のような投資信託を見極めるのはそれほど難しくありません。

  • 分配金収入を当月以外(期間外)の収入に依存していないか

上述の通り、分配金が高額に設定された投資信託は、ファンドのパフォーマンス関係なしに資金が集まってきます。
そして当月以外(期間外)の収入に依存して分配を行っている投資信託は、漏れなく基準価額が落ちていきます。

これは投資信託を組成した各社が提供する運用報告書にて確認できます。
運用報告書をご覧になって、過去6ヶ月の分配金の多くが当月以外の収入に依存しているならば除外します。

筆者の感覚的には、基準価額に対して年間の分配金利回りが10%を越えていれば、過分配を疑って良いと思います。
その程度のインカムゲイン収入がでるのは、ブラジル国債など新興国国債の一部ぐらいです。

ただし、10%未満ならOKではなく、結局投資信託が何に投資しているのかに依存します。
例えばファンドの投資先が日本国債なのに、年間の分配金利回りが5%みたいなものは、現在の国債利回りの実情からは外れていますよね。

まとめ

以上です。まとめると

  • 基準価額が下落する理由の1つは分配金の過剰分配
  • 純資産が増加するのは分配金目当ての個人投資家が買っているから
  • 分配金が正常か過剰なのかは運用報告書でチェック(筆者の感覚的には10%を超えるものはだいたいアウト)

です。

あなたがこれを踏まえて、過分配の毎月分配型を買いたいならば、分配型投信から分配金を貰うときに注意しておきたいことで示す分配金の仕組みを把握する必要があります。
投資信託は銀行預金とは異なるため、預けた元本はそのまま、ではないのです。

一方、無分配のインデックスファンドはこのような心配は不要です。
積み立てなりして、あとは定期的にメンテナンスをしていくだけです。

  • それでも毎月分配型を購入して1ヶ月後に分配金をもらいたいか
  • 無分配のインデックスファンドを運用して将来まとまった利益を手にするか

は、あなたの感覚に依存します。
筆者は後者をオススメしますが、あなたはいかがでしょうか。

資産運用にオススメの証券会社

手数料が安く、取り扱い商品も多いため、少額資産運用に最適なネット証券です。 第三者評価機関調査で10回目の第1位に選ばれるなど人気の高さが特徴です。 安全にお金を増やしたい方に最適な、元本保証で高金利のハイブリッド預金目当てで開設される方も多くいらっしゃいます。

SBI証券の口座開設手順と必要な時間・書類などを解説!

SBI証券のおすすめポイント

株取引の口座(証券口座)を開設する方法と必要書類の解説

投資信託

\シェアしてください!/






  • 金融商品の時価は変動しますので、投資元本を割り込む可能性も承知の上で投資するようになさってください。
  • 本コンテンツで紹介している金融商品は、将来必ず値上がり・利益が生じるとは限りません。
  • 筆者調査の上で記事を執筆しておりますが、記事には不備・間違いが含まれる可能性がございます。必ず、あなたご自身が確認するようになさってください。
  • 記事執筆時点の情報に基づくため、最新の情報とは差異が生じている可能性がございます。記述と現況が異なる場合には、現況を優先いたします。
  • 記事を参照したことで生じた損失の補填や保証などは一切行いません。
インストックネット