投資信託を始めようとしたとき、どのくらい投資すればいくら利益が出そうなのか、気になりませんか。
特に少額投資の場合には、投資額に見合ったメリットがあるのかどうかが知りたい、との声もありました。
あなたも興味ありませんか?
そこで以下では、筆者が投資信託を通じて実践している積立投資の途中経過も交えながら、投資信託で一体どの程度利益を見込めるのかを紹介します。
特に、インデックスファンドと呼ばれる商品なら、過去の実績を元に、将来の利益をある程度見積もれます。
それも参考に、投資信託の「儲け」を紹介します。
記事のポイント
- 投資信託に10万円投資して儲けを出すことはできる。「儲かっている状態」とは購入額に対して、現在の評価額が高い状態のことを示す
- 投資信託はとにかく長く運用することを目指そう。仮に100万円を10年から20年運用し続けると、だいたい1.5倍か2倍ぐらいになれば運用成功
- 短期間でお金を数倍にしたい場合、投資信託で運用は向いていない。ブル・ベアファンドを購入するか、他の金融商品を
おさらい:投資信託の儲けってどういう状態のことを言うの?
購入時よりも、値上がりしていること(投資額 < 時価評価額)の状態を「儲かっている」といいます。
例えば、以下のような状態だとします。
- 投資信託Aを10万円で購入した
- 現在の評価額は15万円
評価額が15万円の時点で、この投資信託Aを売却すると、あなたの手元には15万円戻ります。
当初支払った金額は10万円なので、この運用は5万円の儲けですよね。
10万円投資した投資信託でも儲けは出せるか?
可能です。
実際に儲かっている状況をお見せします
2017年3月23日時点
上手は筆者が2017年3月23日時点で保有している投資信託とその損益です。
時価評価額は156,182円で、6,075円の評価益(+ 3.89%)になっています(つまり、売れば購入時よりも6,075円儲かってるってこと!)。
利益確定(売却)を行っていないため、この評価益は流動的です。
明日の評価益は今日より低いかもしれませんし、高いかもしれません。
ですが、「儲かるか」と問われれば、「儲かる」と答えるのが適切かと思います。
少なくとも投資信託で儲かっている人はいる、というわけで。
関連記事:投資信託は儲かる?やめたほうがよい?
2018年4月10日時点
最初に記事を書いてから約1年たったので、2018年4月現在の状況も紹介。
投資額が20万円に増えたり、一部保有している商品が変わったりしていますが、
- たわらノーロード日経225
- 三井住友・DCつみたてNISA全海外株式インデックスファンド(旧:DC全海外株式インデックスファンド)
- 三井住友・DC外国債券インデックスファンド
の3つはさらに評価益が増えてます。
10万円で6,000円の利益は多い?少ない?
でも、あなたは「たった6,000円か」と思うかもしれません。
「投資で一発当てたい」と考えるなら、わずか6,000円の利益はたしかに少なすぎです。
しかし、以下の点を忘れてはいけません。
- 銀行預金に比べたらはるかに高い運用成績
- デイトレーダーのような売買は一切していない
- 毎月数千円の積立投資で得たリターンである
投資信託を使うと、株価の変動の振り回されたり、毎日忙しく取引したりすることはありません。
この儲けは資産運用を始めることで生じる新たなストレスを最小限にして得た利益です。
これぞ不労所得だと思うのですが、あなたはどう感じるでしょうか。
この儲けを出すまでのプロセス
主に毎月の積み立てで投資信託を購入しています。
積立投信の大きなメリットに、ドル・コスト法があります。
ドル・コスト法は、買い付け時期を時間的に分散することで、時価の増減をゆるやかにする投資方法です。
スポット(一括)で買う場合よりも、利益は少なくなる一方で損失も少なくすることができます。
初めて投資信託を購入する際、大抵は「いつ買えば儲かるか」で迷います。
それがわからないからこそ、毎月積立投資し、あとは相場が上がってくれたら利益として手に入れる、という方針で運用しています。
結構、簡単でしょ?
投資信託の儲かる確率ってどのくらい?
投資信託は基本的に、長く運用すればするほど、儲かる確率は高くなります。
例えば、筆者が別サイトで記述した記事では、投資信託の成功率を数値にて求めています。
- 運用1年目での成功確率は50~60%程度
- 運用10年目での成功確率は55~95%程度
- 運用20年目での成功確率は~100%
- 運用30年目での成功確率は~100%
例えば、2018年から始まった「つみたてNISA」では、最長20年にわたって投資信託を運用できます。
関連記事:「つみたてNISA」はなぜ20年?資産形成に役立つ長期分散投資の魅力
過去の相場を用いて算出した金融庁の試算では、運用年数5年と20年のうち、20年運用した結果は全てプラスリターンになったとの結果が得られています。
同様の事例は他にも報告されており、投資信託で利益を上げたいなら、長期投資が重要であることの根拠になる考えています。
- 左:保有期間5年後の成績は年利-8%から年利14%まで大きくばらついています(マイナスリターンもあります)
- 右:保有期間20年後の成績は年利2%から年利8%とばらつきが小さくなっています(マイナスリターンがありません)
余談:100万円を20年運用するといくら儲かるの?
インデックス運用なら、儲けはある程度概算できる
少なくとも、インデックスファンドと呼ばれる投資信託を利用した運用では、将来の利益の額もある程度予想することができます。
例えば、債券の利回りが2%、株式の利回りが5%ならば、
- 債券:149万円(49万円の利益)
- 株式:265万円(165万円の利益)
と求まります。
筆者が様々な試算(乱数シミュレーション)を行ってきた限りでは、一括投資(スポット投資)後に10年から20年運用し続けると、投資額が1.5倍から2倍程度に増えていれば成功といえそうです。
積立投資の場合にはもう少し利益が少なく、10年から20年運用することで、総投資額の1.2倍から1.5倍程度が目安になります。
参考までに、有名な投資信託である「世界経済インデックスファンド」に2009年時点で100万円投資すると、2016年時点で202万円になります。
この間は相場が良く、かなり恵まれた環境で投資できたので、投資額は10年で2倍になりました。
なお、この話はシミュレーションに基づくので、あなたの将来の成績を保証するものではない点にご留意ください。
もっと短期間で儲けたいなら
- 「ブルx倍・ベアx倍」と呼ばれる投資信託を購入する(例えば「楽天日本株4.3倍ブル「SBI日本株4.3倍ベア」)
- 投資信託は選ばない
「ブルx倍・ベアx倍」と呼ばれる商品をのぞき、投資信託は短期間での大儲けには向いていません。
例えば、1ヶ月や半年でお金を数倍にしたい、といったハイリスクな運用を期待しているなら、他の金融商品をお選びください。
まとめ
- 投資信託に10万円投資して儲けを出すことはできる。「儲かっている状態」とは購入額に対して、現在の評価額が高い状態のことを示す
- 投資信託はとにかく長く運用することを目指そう。仮に100万円を10年から20年運用し続けると、だいたい1.5倍か2倍ぐらいになれば運用成功
- 短期間でお金を数倍にしたい場合、投資信託で運用は向いていない。ブル・ベアファンドを購入するか、他の金融商品を
ちなみに投資信託業界で利益を出していることで有名な「ひふみプラス」は、2012年から2018年までの6年間で、基準価額をほぼ4倍以上にしました。
つまり2012年に100万円投資していれば、6年かけて400万円に達したことを意味します。
このことから、すんごい儲かったとしても、1年で投資額が2倍になれば、極めてラッキーなのではないか?と思います。
なお、「ひふみプラス」はSBI証券や楽天証券などで購入できます。