分配型投資信託から分配金を貰うときに注意しておきたいこと

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毎月多額の分配金で「夢の配当生活」「毎月のお小遣いに」と考えると思わぬ罠にはまります。
「投資信託で損をした!こんなはずじゃなかった!」という失敗談の1つは、この分配金への理解不足が原因です。

あなたが分配型の投資信託に手を出すなら、分配金が預金利息や配当金と異なり、「分配されることで基準価額が下がること」を知る必要があります。
また、分配金には普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の2つがあることを知っておくべきです。

長期的に普通分配金が貰えそうかどうか、は重要なポイントの1つです。
普通分配金を貰う為には、将来的に基準価額が上昇しそうなファンドを選びます。

特に分配金過多の投資信託は基準価額が下落しがちですので、それを選ぶなら高頻度で特別分配金がでることは覚悟なさってください。

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はじめに

「分配金」という言葉に惹かれる方は多いと思います。
このページを見ている時点で、「興味ない」とは言わせません。

事実、投資信託の売れ筋商品の多くは毎月分配(詳細は毎月分配型を選べばいいの?みんな買ってる人気商品だよね?)を謳うものばかりです。
商品の性質はともかく、分配金の出る投資信託が多くの方に選ばれているのは事実です。

インストックネットでは、金融商品についてなるべく中立的な立場でご紹介したいと思います。
あなたが納得の上で毎月分配型のような分配に力を入れる投信を買うのであれば、(利益がでるかはともかく)それはあなたの事情を反映した選択ですから良いと考えています。

しかし、あなたが「みんな買っているから」という理由で選ぶのでしたら、その購入は考え物です。

そこで以下では、その分配金について少し考えてみたいと思います。

分配金と預金利息の違い

まず、預金利息や配当金と分配金の違いを紹介します。
分配金の仕組みを理解することは分配型投資信託を適切に運用できるかのカギになります。

最初に、預金利息や配当金のおさらいです。

預金利息や配当金の発生で、あなたの入金(投資)したお金が減ることはありません。
株式はともかく、利息が付いたら銀行預金が減った、なんてことはありませんよね。

一方、投資信託は異なります。

分配金が発生すると、必ず分配金相当額分だけ基準価額が下落します
あなたの所有する投資信託の資産価値が下がるのです。

例えば、基準価額10,000円の投資信託に10,000口を投資したとします。

分配金200円が発生したら、翌日の基準価額は9,800円です。
あなたは200円を現金で手に入れる一方で、あなたの投資している投資信託の時価は200円下がります。

分配金を貰うことで、あなたは「やった!200円儲かった!」と思うでしょう。

しかし、基準価額は9,800円ですから、基準価額(9,800円) + 分配金(200円)となり、1円も儲かっていないのです。

この日、投資信託を解約すると、戻されるお金は基準価額9,800円で計算されます。
10,000口投資していたなら、戻ってくるお金は9,800円です。

投資信託で失敗する理由の1つは、この分配金に対する理解不足です。
手元に入ってくる少額のお金ばかりに注目してしまい、もともと預けているお金がそのまま元本で保全されていると思ってしまうのです。

利息と分配金の違い

利息と分配金の違い

預金では、利息が発生することで[預金元本 + 利息]となりますが、投資信託では、分配金が発生しても[(評価額 – 分配金相当額) + 分配金]となりますので、「分配金の発生=あなたの利益」とは限らない点に注意が必要です。

分配金が出るとなぜ基準価額は下がるのか

がまぐち

分配金が出るとなぜ基準価額は下がる理由は、分配金が投資信託の純資産の中から出るからです。
純資産 / 口数 = 基準価額の公式を思い出してください。

例えば(純資産 – 500円) / 口数 = 基準価額なら基準価額は下がりますよね。

毎月分配型の投資信託はなぜ基準価額が下がり純資産が増えるのかもあわせてご覧くださいな。

配当金と呼ぶのは間違い

細かい点として、投資信託の分配金のことを配当金と呼ぶのは間違いです。
言葉を正しく使い、分配金は預金利息や配当金と別物であることを覚えていきましょう。

普通分配金と特別分配金の違い

さて、次は切っても切れない特別分配金のお話。

あなたがファンドから受け取る分配金には、

  • 普通分配金
  • 特別分配金

の2種類の分配金があります。

前者はあなたの利益で課税対象後者はあなたが出資したお金の一部が帰ってきただけとみなされます。

例えば、ファンドが10,000口あたり毎月200円の分配を約束しているならば、あなたはその投資信託を10,000口買うことで毎月200円を受け取ることが出来ます。
その200円が普通分配金か特別分配金か、もしくは普通分配金100円と特別分配金100円の合算なのかは、もらうまではわかりません

投資信託の目論見書に「毎月200円分配します」と書かれていても、「毎月200円ずつお金が増えていくんだ」と考えるのは早計です。

重要ですから繰り返しますが、あなたが得るべき分配金は普通分配金です。

普通分配金と特別分配金はどう決まるの?

普通分配金が出るか、特別分配金が出るかは、あなたが持っている投資信託の価値と分配時の投信の基準価額の比較によって決まります。
あなたが購入した時の投資信託の基準価額より、分配時の基準価額が上回っていれば普通分配金、下回っていれば特別分配金になります。

ここで良くある誤解をいくつかご紹介します。

  1. よくある誤解①:普通分配金を貰いやすい証券会社がある?
  2. よくある誤解②:投信ブログ主は普通分配金ばかりもらってるみたい?

よくある誤解①:普通分配金を貰いやすい証券会社がある?

普通分配金の貰いやすさと証券会社は関係ありません

「普通分配金か特別分配金か」に、どの証券会社を利用するかは関係ありません。
上述の通り、分配金の中身はあなたが保有する投資信託の価値で決まります。

よくある誤解②:投信ブログ主は普通分配金ばかりもらってるみたい?

同じ投資信託を保有しているのに、ネット上の投信ブログ主は普通分配金、にも関わらずあなたは特別分配金というケースも多々あります。
これを個別元本方式と呼びます。

例えば、あなたが筆者のブログで「普通分配金もらった!」との記述を見て同じファンドを購入しても、今後、筆者と同じように普通分配金を貰えるかはわからないのです。
筆者購入時の基準価額と、現在の基準価額が異なるからです。

このことは、「普通分配金の多い投資信託」と検索するのはあまり意味がないことを示します。
買うタイミング次第でどんな投資信託でも普通分配金になったり、ほとんど特別分配金になったりするのです。

買うタイミングが重要な話は、投資信託は儲かる?やめたほうがよい?でも紹介しています。

特別分配金が出ると投資元本が下がる点に注意

特別分配金が出るとその金額分だけ、あなたが投資した個別元本が下がります

例えば、1万円投資した投資信託を保有していて、1,000円の特別分配金が出た場合、分配後の投資信託の価値は9,000円になります。
特別分配金が出るほど、換金時に戻ってくるお金は、購入時に要したお金より少なくなります

解約したら当初購入額の半額しか戻ってこなかった・・・という失敗談はここに起因しています。

じゃあ普通分配金をもらうためにどうすればいいの?

上述の通り、普通分配金をもらうためには、あなたが持っている投資信託の価値より、分配時の投資信託の基準価額が上回っている必要があります。
つまり、普通分配金をもらうためには、購入後の基準価額が上がりそうな投資信託を選びます

残念ながら、毎月分配を謳う投資信託の多くは、基準価額が下がっているかおおよそ横ばいになるものが多い為、特別分配金をもらう率が高くなってしまいます。
毎月分配型の投資信託はなぜ基準価額が下がり純資産が増えるのかで述べているように、ファンドの収入に見合わない分配金を出しているためです。

そもそも、毎月分配型の大半は分配金を出しすぎなのです。

あなたが、毎月分配にこだわりが無いのであれば、分配回数が少ないもの(例えば半期に1回や四半期に1回)を選んだほうが良いです。
毎月分配金が欲しければ、分配月の異なる投資信託を組み合わせて、毎月異なる投資信託から分配金をもらえるように組めばいいのです。

普通分配金か特別分配金か確認する方法

筆者が利用するSBI証券の場合、分配時に電子交付される「投資信託分配金・償還金のお知らせ」を見ればすぐにわかります。
ここには、普通分配金の額、特別分配金の額、また課税額などが記載されています。

いくつか、例をご紹介します。

投資信託分配金・償還金のお知らせは口座の電子ボックスへ

投資信託分配金・償還金のお知らせ

以下は、実際にSBI証券を利用していて電子交付された「投資信託分配金・償還金のお知らせ」の一部を切り抜いたものです。
いずれも、筆者ブログで定期的に触れている「損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)」の分配状況に関する通知です。

普通分配金のみ分配された場合

普通分配金のみ分配された場合

NISA口座は利用していないため、税金が引かれています。

普通分配金と特別分配金が分配された場合

普通分配金と特別分配金が分配された場合

こちらも税金が引かれていますが、税金は普通分配金のみにかかるため、125円に対して課税されています。

特別分配金のみ分配された場合

特別分配金のみ分配された場合

元本払い戻しとみなされる特別分配金には課税されませんので、分配金はそのまま手元に戻ります。

みずほ証券の場合

みずほ証券の場合

みずほ証券の場合

みずほ証券で買ったブラックロックのファンドの場合には、裏面が「ここからはがしてください」というタイプのはがきで来ました。
SBI証券の場合と同じく、普通分配金と特別分配金の欄があり、どの程度課税されたかなどもわかるようになっています。

ただ、SBI証券のものに比べるとちょっと分かりにくいです。

NISAで買った場合など

NISA口座経由で買い付けた場合も、普通分配金・特別分配金そのものに違いはありません。
普通分配金に課税されないだけです。

SBI証券の場合は、NISAってどう?1年ぐらい使ってみてで触れていますが、電子交付される取引報告書で判断がつきます。

他の証券会社は記事執筆時点で利用したことがありませんので、詳細は各証券会社に問い合わせるのが良いと思います。

まとめ

分配金の多い投資信託や毎月分配型は、どの証券会社でも売れ筋ランキングの上位に顔を出します。
しかし、それらに投資する投資家の多くは、実はこの複雑な分配金の仕組みを理解していないかもしれません。

あなたが、もし既に毎月分配型の投資信託に多額の投資をしているなら、現在の個別元本などを見直してみることをお勧めいたします。

一方、10万円資産運用の投資先として分配型の投資信託を選ぼうとしていたら、手始めに1万円だけの購入をオススメします。
分配金の仕組みをちょっとでも理解してから運用を始めたほうが、「こんなはずじゃなかった」を防げるからです。

分配金の仕組みを覚えるならば、実際に毎月分配型から分配金を貰ってみるのが良いです。
比較的投資しやすいものとして、ワールド・リート・オープンを投資信託、最初は何を買う?お試しファンド運用例にて紹介しています。

3,500円程度で運用できますので、10,000口だけにしてお試し運用してみることをオススメします。

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  • 金融商品の時価は変動しますので、投資元本を割り込む可能性も承知の上で投資するようになさってください。
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  • 筆者調査の上で記事を執筆しておりますが、記事には不備・間違いが含まれる可能性がございます。必ず、あなたご自身が確認するようになさってください。
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