個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用先、あなたにぴったりの一社はみつかりましたか?
2017年前半はSBI証券と楽天証券のプランが特に人気でしたが、最近になってイオン銀行が低コストのプランを提供し始めました。適度な商品数をそろえており、商品が多すぎて選べないという悩みにも応えた結果だと思います。
イオン銀行の確定拠出年金プランは、みずほ銀行の資産運用サポートツールである「SMART FOLIO DC」を利用して資産ポートフォリオを考え、それに基づきイオン銀行の商品を選ぶことが可能になっています。
投資信託選びに困ったら利用したいツールです。もちろん定期預金も扱っていますので、最初はそこから始めてもOK。
一度、どんなサービスなのかチェックしてみませんか。
イオン銀行の確定拠出年金概要
- 無条件で運営管理手数料0円(その他、後述する委託手数料はあり)
- 商品ラインナップは17本(2017年7月10日現在)
- そのうち元本保証商品は1本。残り16本は投資信託
あなたがイオン銀行の確定拠出年金を利用した際に発生する費用は、
- 加入申し込み時に2,777円
- 運用期間中に委託手数料167円/年(掛け金の拠出を行わない運用指図者は64円/年 )
- 給付時に432円(これは老後の話)
です。
確定拠出年金を利用した際に、(意味がわからなすぎて)ネックになりやすい商品本数は17本とかなり抑えめになっています。それでいて、2017年現在でもっとも低コストの商品(たわらノーロードシリーズ)がラインナップされているのが特徴です。
サラリーマンの加入が始まった2017年前半は、SBI証券と楽天証券の確定拠出年金プランが話題の中心となりました。しかし、今後はイオン銀行で年金の運用を始める方も増えると思います。
ツールを利用した商品選定例
ここでは、確定拠出年金に加入する際に重要な商品の話をしましょう。
一般に、確定拠出年金では投資信託も組み入れることで、インフレリスクなど、将来の様々なリスクに備えることが可能になります。
しかし、投資信託を選ぶとかよくわからないですよね。
そこで、そんなときは同社がみずほ銀行と連携して提供している資産運用サポートツール「SMART FOLIO DC」が役立ちます。
SMART FOLIO DCを使って投資信託を選ぶのです。
SMART FOLIO DCで資産ポートフォリオを考える
5つの簡単な質問に答えるだけで、あなたに最適な資産ポートフォリオの組み合わせを提案してくれる商品です。
- 年齢
- 年収
- 金融商品への知識
- 損失への対処法
- 希望する運用結果
この質問から得られた答えに基づき、確定拠出年金の商品を選択します。とりあえず筆者が試した結果はこちら。筆者がやると、積極的にリスクをとる結果になりやすいです。
注目すべきは円グラフの結果です(数値はあなたの結果次第で変わります)。
- 国内債券:11%
- ヘッジ外債(為替ヘッジあり海外債券):14%
- 海外債券:4%
- 国内株式:17%
- 海外株式:24%
- 国内REIT:15%
- 海外REIT:15%
- 元本確保型(定期預金):0%
このように得られた配分に基づき、実際に商品を選ぶのです。
SMART FOLIO DCの結果から投資信託を選ぶ
では、SMART FOLIO DCの結果から投資信託を選びます。イオン銀行で扱っている商品には以下のような商品があります。
図2. イオン銀行確定拠出年金商品一覧(2017年7月10日現在)
いろいろありますね!
この商品と、先ほどのSMART FOLIO DCの結果を結びつけます。
- 国内債券:たわらノーロード 国内債券
- ヘッジ外債(為替ヘッジあり海外債券):たわらノーロード 先進国債券<為替ヘッジあり>
- 海外債券:たわらノーロード 先進国債券
- 国内株式:DIAM DC 国内株式インデックスファンド
- 海外株式:たわらノーロード 先進国株式
- 国内REIT:たわらノーロード 国内リート
- 海外REIT:たわらノーロード 先進国リート
- 元本確保型(定期預金):イオン銀行iDeCo 定期預金 5年
SMART FOLIO DCの結果と同じカテゴリの商品を選ぶことで、簡単に結びつけることができます。
あとは、ログイン後のお金の割り振りを、先ほどのパーセンテージと同じ配分で振り分けることで、SMART FOLIO DCで得られた組み合わせと同じ運用が可能になります。
この組み合わせは将来いくらに?
これもSMART FOLIO DCの結果に示されています。
図3. 過去チャート(左)と将来予測チャート(右)(2017年7月10日現在)
将来予測チャート
将来チャートの予測値は、記述がありませんが、おそらく乱数でシミュレーション(モンテカルロ法)した結果です。以下の記事で紹介した「投信アシスト」と同じことをやっています。

そのため、この乱数の結果は、あなたの将来の運用成績を保証・示唆するものではない点にご注意ください。あくまで、過去の実績に基づいて、将来も運用できるならこの程度になりそうだ、というものです。
過去チャート
一方、注目すべきは過去のチャートです。過去チャートは10年前(ここでは2007年5月)に100万円投資したと仮定し、現在の評価額がいくらかになっているか、計算で算出したものです。
この過去チャートには、世界的に株価が下落したリーマンショック期の相場が含まれています。にもかかわらず、2017年5月時点の評価額は約120万円と当初の投資額を上回っています。
このことは、一時的な下落相場が訪れても、将来値上がりする相場ならば、マイナスは解消される可能性が高いことを示します。
確定拠出年金の運用では我慢強く運用し続けることも求められるかもしれませんね。
運用が怖かったら定期預金もOK!
イオン銀行の確定拠出年金プランには5年定期預金枠も1つ用意されています。この定期預金は、1,000万円とその利息までは保証されるペイオフ対象商品ですから、最初はそれを主体に始めてみると良いと思います。
例えば、
- 国内債券:5%
- ヘッジ外債(為替ヘッジあり海外債券):0%
- 海外債券:5%
- 国内株式:0%
- 海外株式:0%
- 国内REIT:0%
- 海外REIT:0%
- 元本確保型(定期預金):90%
など。
手軽さを重視したいバランスファンド
バランスファンドを選びます。
イオン銀行では4つのバランスファンドが用意されています。
- マイバランス30(確定拠出年金向け)
- マイバランス50(確定拠出年金向け)
- マイバランス70(確定拠出年金向け)
- イオン・バランス戦略ファンド(愛称:みらいパレット)
マイバランスの3つは30、50、70の数字が株式比率になっており、数値が小さいほうがローリスクで、安定的な運用に向いています。
ただバランスファンドを選ぶなら、個人的にはイオン銀行よりも楽天証券確定拠出年金プランやSBI証券確定拠出年金プランのほうがオススメです。
- マイバランスは日本への投資比率が50%超と高い
- イオン・バランス戦略ファンドは信託報酬(運用コスト)が高い
やはり、SMART FOLIO DCも使いながら、いろいろ組み合わせて運用するのが同行の最適解だと思います。
まとめ
- イオン銀行の確定拠出年金プランは低コスト。商品数も17本と控えめな設定
- オススメはSMART FOLIO DCも使って商品をあれこれ組み合わせ
- 手軽さ重視のバランスファンドは他証券会社の商品がオススメ
なお、留意点として、イオン銀行窓口での商品説明や解説は受けられません。何か問い合わせたい場合にはイオン銀行iDeCo確定拠出年金コールセンターにまでお問い合わせください。
その代わり、主要なイオンモールなどでセミナーを開催したりしていますので、そちらに申し込んでみるのも良いと思います。
ぜひ一度チェックしてみてください。