2017年5月10日、筆者はネット証券最大手である「SBI証券」にインタビューしてきました!
SBI証券はあなたがインターネットを通じて投資・資産運用を始めようとしたら、確実に名前を聞くであろう、超有名な証券会社です。
今回お話を聞かせていただいたのは商品開発部の、
- 杉本様
- 稲場様
- 高橋様
のお三方。
あなたもきっと興味を抱いているであろう「株主優待」を中心に、話題のロボアド「WealthNavi for SBI証券」やビットコイン、そして今後リリース予定の新商品など、とても丁寧に教えていただきました!
文章中の画像は当日のインタビュー風景、およびSBI証券のウェブサイトより引用しております。
※忙しいあなたのためにSBI証券インタビュー1ページ総集編も用意しました。
SBI証券のユーザー層について
―――(初めてのインタビュー経験で超ガチガチの筆者)本日はお忙しい中、ありがとうございます
(一同)笑
―――SBI証券を利用しているユーザー層について教えてください
(杉本様)「ユーザー層について、イメージをお持ちいただいているかと思うのですが、対面証券さんとは違い、やっぱり若年層の投資家が多いのが特徴です。年齢層は30代が比較的多く、20代~40代の比率が高くなっております。
他のネット証券も同じような構成だと思われますが、デイトレーダー向けなど、株式中心のサービスを提供しているネット証券では、少し年齢層が高いのかなと。
また、これも対面証券と比較して言えることですが、比較的女性の割合が多いのが特徴です。我々はグループに住信SBIネット銀行を抱えていて、相互に資金をやりとりすることができます。
我々の戦略として、格安の手数料、それと多様な商品ラインナップですね。株式とか単元未満株(S株)、投資信託、為替(FX)、債券、CFD(株価指数証拠金取引)、先物オプション、あと外国株式(9カ国)など、お客さんのニーズに対応した商品をそろえています。
そういった意味では初心者の方も使いやすいネット証券の1つではないか、と思います」
―――投資家の株式投資のスタイルや運用例を教えてください
(杉本様) 「投資家の人数からすると、50万円未満のところで購入する投資家の人数が圧倒的に多いです。
東証さんが2018年秋ごろまでに、100株50万円以内で投資できるように推奨しており、最近は最低単元100株、50万以下で買える株式が増えてきたところも大きいです。
ただ、ネット証券全体でそうだと思いますが、全体の売買代金で見ると、アクティブトレーダー(デイトレーダー)の売買代金が非常に占めています。例えば、他のネット証券さんの開示資料を見ると8~9割とか。1人で何億とか取引する方もいるわけで。
人数割にすると、当然みなさんがそんな取引できるわけではないので、小口の投資家で100株買うというのが多いです」
―――株式以外はいかがでしょうか。例えば投信積立など1万円未満で投資できる商品もありますが?
(杉本様) 「投資信託の積み立て買付も、ある一定のお客さんが毎月購入しており、右肩上がりで増えています。毎月1万円より低い方もいるかと思います」
SBI証券といえば株主優待!
SBI証券が株主優待コンテンツに力を入れている理由
―――SBI証券は「株主優待」コンテンツに力を入れている印象を受けます。どういった理由でアピールされているのでしょうか?
(杉本様) 「我々は株主優待というのはここ数年かなり力を入れて展開してきています。一般的に言われることですが、若年層の株式投資へのハードルが高いと。損をしてしまうとか、大きな金額がないと取引できないんじゃないか、とか。
そういった方々が実際に株式を買ってみようと一歩を踏み出してもらうために、「何が一番いいのかな」と考えると、その1つとして株主優待が挙がります。
株主優待は身近のファミレスなど飲食店で利用できることがあるため、投資が身近なものとして感じられるきっかけの1つとしていいのでは、と」
(杉本様) 「例えば、金額別にいくらで購入できるか、など検索機能を充実させたり、また取引のハードルが少し上がるのですが、信用取引でリスクを抑えて優待を獲得する方法とか、あとは優待のブロガーの方にインタビューをお願いしたりとか。
あとは圧倒的に認知度のある桐谷さんに継続的にインタビューしてオススメ銘柄を伺うなど、そういったコンテンツや検索機能を充実させて、できるだけ投資を身近にさせようと。
このように、株主優待は非常に身近なきっかけ作りになると考えておりますので、力を入れさせていただいています。
NISA、ジュニアNISAと出てきても、なかなか投資できない方もいらっしゃって、我々もなかなか困っているんですけど、株主優待をアピールし始めてから、例えばイオン(証券コード:8267)(イオン株はどこで買うの?株主優待と購入方法を徹底紹介!)とか購入する方が増えてきております」
―――優待投資を行う際にSBI証券を選ぶメリットを教えてください
(杉本様) 「例えば、桐谷さんに好評だった検索機能があります。テーマ別で、女性向けとかおもしろい優待、権利確定月や金額とかで選びやすいと評価していただきました」
(杉本様) 「あとは、毎月の専用の株主優待ページを設けたり、実際に投資をやられているブロガーの方に紹介していただいたりして、コンテンツとして掲載しております。こういったものを見ると踏み出しやすいのかなと。
あとは短期のつなぎ売り(つなぎ売り(クロス取引)を利用して株主優待をお得に取得する方法)ができる証券会社は少ないので、これもメリットになるかと思います。
一般信用は証券会社が持っている在庫(株式)をお客様に提供しているので、証券会社が持っている在庫の量に左右されます。
SBI証券は株式取引量も残高もネット証券で最も多いので、株式のいろいろな調達手段を持っています。そういった意味ではお客様に喜んでいただける規模感で提供させていただいています」
―――スマートフォンアプリ(Hyper 株アプリ)からは優待検索できますか?
(杉本様) 「スマホアプリは取引チャネルとして圧倒的に右肩上がりなので、スマホのほうで優待を検索したいという需要があります。これも検討として挙がっていますので、我々も開発を進めていこうと考えています」
なんと、SBI証券を利用する個人投資家からのリクエストに応じて、新株アプリにて、株主優待検索を利用できるようになりました!!
SBI証券の新しい株アプリの株主優待検索部分をスクリーンキャプチャしてみました。これならわざわざパソコンサイトにログインせずとも、スマホアプリで暇なときにあれこれチェックできそうです pic.twitter.com/UIxmQaWJrZ
— インストックネット公式 (@instockexnet) 2017年8月10日
SBI証券といえば株主優待!
オススメの株主優待を教えてください!
―――何かオススメの株主優待はありますか?
(杉本様) 「SBI証券としての銘柄推奨はできないのですが、過去に出したレポートや、桐谷さんやブロガーらにオススメしてもらったもの、あとはお客様に好評の人気ランキングなどに基づくと、比較的換金しやすいクオカードや割引率の高い金券類などが人気です。
あとはやはり航空会社や電鉄系が人気です。それと初心者の方には飲食系や小売系、例えば居酒屋やファミレス、吉野家(証券コード:9861)(牛丼チェーン各社の株主優待と配当金比較。最後は味で選んでね!)とかフランチャイズ系のお店も人気があります」
(杉本様) 「桐谷さんはコメダ(コメダホールディングス。証券コード:3543)とか仰ってましたね」
(稲場様)「新設優待(これまで優待を設定していなかった企業が新しく優待を始めること)を楽しみにされている方も多いですね」
(杉本様) 「例えば夏場ですと、クリエイトレストランツ(証券コード:3387)、吉野家、ビックカメラ(証券コード:3048)、イオンなどこのあたりが多いですね。あと以前レポートで紹介していたものがワッツ(証券コード:2735)など。
利回りや換金って部分も多いですけど、その会社特有の優待専用の商品も人気があります」
(稲場様)「ビール会社のパッケージが毎年違うみたいなものも好きな方が多いですね」
(杉本様) 「どうしても金券類って一番人気なんですけど、単に金券だけじゃなくて、企業の商品を使っていただくのも良いと思います。
いらないものを頂いてもしょうがないですけど(笑)」
―――「実はこの株主優待はすごい」「穴場の株主優待」みたいなものをご存知でしたら教えてください
(杉本様) 「我々は証券会社なので株価との比較や利回り、業績などを見てしまいます。今期(2017年)の業績や株価を考慮すると本当に良いのかというところはありますが、昨年(2016年)はクリエイトレストラン、吉野家、ワッツ、エスフーズ(証券コード:2292)、イオンを紹介しております。
ワッツやエスフーズは比較的知られていないのではないか?と思います。イオン、吉野家、クリエイトレストランはみなさんご存知なんじゃないでしょうか」
―――筆者もイオンの株式を保有しています
(杉本様) 「やっぱりそうなんですね」
(稲場様) 「IBJ(証券コード:6071)という婚活の会社が最近注目されていて、桐谷さん婚活パーティに。それが面白いと取り上げられていました。
他にサニーサイドアップ(証券コード:2180)も人気がありますね」
(杉本様) 「やっぱり穴場となると難しいですね(笑)毎月のコンテンツや投資レポートなどを見ていただければと思います」
なるべく損をせずに株主優待を得る方法はありますか?
―――なるべく損をせずに株主優待を得る方法はありますか
(杉本様) 「そうですね(笑)」
(稲場様) 「タイミングの話ですね(笑)」
(杉本様) 「SBI証券としては、比較的長期で、例えばオリエンタルランド(証券コード:4661)(オリエンタルランド株の買い方と株主優待を紹介)とか継続優待もありますけど、買い時はご自身で判断していただいて、ずっと持っていただくのが良いのかなと。
株式の発行会社さんとしても長期で持って欲しいと思っているはずなので、我々も基本は長期で持っていただいたほうが良いのかなと思っております。
限られた資金で投資したいと考えられるならば、一般信用のつなぎ売りを利用して、価格リスクヘッジをしていただきつつ、優待を持って行くのが良いのかなと思っております。
実際、優待取りの多い3月に買ったから損をしているかといえば、そうとは限らないんです。
しかし、一般的には優待取りに向けて株価は上がって行くというのは言われていますので、そのあたりはつなぎを利用するか、目先の株価に左右されずに持っていただくと良いと思います。
すみません、はっきりとした回答にならずに(笑)」
―――難しいと思います(笑)
個人投資家はいつ株主優待銘柄を買っていますか?
―――個人投資家はいつ株主優待銘柄を買っていますか
(稲場様) 「投資家の傾向としては、当日の権利付き最終日に買う人が圧倒的に多いですね」
(杉本様) 「そうですね」
―――当日買うんですね
(杉本様) 「やっぱぎりぎりが多いですね」
(稲場様) 「当日に優待のページもよく見られていますし、そのまま買われる方が多いですね」
―――そういう方々は権利落ちですぐ売却されるのですか
(稲場様) 「権利落ち日は単純に損をしてしまうことも多いので、必ずしもそうではないですね」
(杉本様) 「優待以外にも配当取りや株主としての権利を取りたいという動きもあるので。どうしても権利確定日後の値動きはわからないので」
少額投資しやすい単元未満株(S株)で株主優待を設定している銘柄はありますか?
―――単元未満株(S株)で株主優待を設定している銘柄をご存知でしたら教えてください
(杉本様) 「我々が認識している限りでは、企業は、配当は単元未満株にも株主の権利を認めているのですが、優待については基本的に単元株以上という認識です。
ですので、企業が投資家層拡大のために単元未満株での優待を推進するという流れにならないと、我々が認識するのは難しいのかなと思っています。
今、東証の100株で5~50万円での投資が拡大していけば、そういったことを検討する会社さんも出てくるかもしれない。ただ、投資額を5~50万円まで落としてきているので、そういう意味では単元株でも買えるようになる方向かと思います。
任天堂(証券コード:7974)さんとかまだ高いですけど」
(稲場様) 「優待を設ける約1,300銘柄ぐらいあるうちの約1,100銘柄ぐらいが50万円ぐらいまでで買えるので、ある程度は買えるのかなと」
―――単元未満株を買い集めて隠れ優待を探すブログもあって、表向きは優待を出していないが実は・・・、といった銘柄もあるらしいです
(杉本様・稲場様) 「そうなんですか」
―――ハニーズ(ハニーズホールディングス。証券コード:2792)(ハニーズの株主優待はいつ貰えるの?)という銘柄は単元未満株での優待を提供しています
(稲場様) 「それは単元未満でももらえるということですか」
―――はい
(杉本様)「それは会社のホームページで公表しているんですか」
―――公表しています
(杉本様) 「逆にありがとうございます(笑)」
(稲場様) 「そうなんですね。こういうのがいっぱいあれば、我々も特集してコンテンツにしていきたいと思います」
信用取引を利用した株主優待の取得方法
つなぎ売り(信用取引)を利用してお得に株主優待を獲得しよう
―――株主優待をお得に取得する方法として「つなぎ売り」を紹介していただけますか?
(杉本様) 「SBI証券のサイト上でつなぎ売りについて、クイズ形式で初心者でもわかりやすいような画面構成で紹介しております。こういったものを見ていただくとわかりやすいのではと思います」
(杉本様) 「このようなコンテンツを載せ始めてから実際の信用口座を開かれた方が増えて、普段は信用取引をやらないですけど、優待取りのタイミングのみ信用取引をやる方が増えてきました。
また、一般信用取引の規模(株式の在庫や銘柄数)も他社と比較してかなりトップのレベルかと思いますので、弊社で取引していただくことでコストも安く取り組めるとかと思います」
(稲場様) 「コスト計算の事例、例えばどれだけコストがかかってというのも載せていますし、一般信用の検索画面でも在庫が今どれくらいあるのかとか、何月決算とか検索できますので、つなぎ売りをする人には便利に作られています」
―――一般信用は証券会社に株式の在庫がないと利用できないんですね
(杉本様) 「そうですね。どうしても在庫の限りがあるので、我々としては規模感としては大事、他社と比較しても多い在庫を確保できていると考えております」
―――そもそも信用取引口座はどのくらいのユーザーが開設されていますか?
(杉本様) 「全体の1割。約380万口座の40万口座程度。おそらく他社さんもそれほど変わらない比率だと思います。デイトレーダーの多いネット証券さんは若干多いかもしれないです」
―――実はまだ筆者も信用取引口座を持っていないのです(2017年5月10日時点)
(杉本様) 「そうなんですか。ぜひ、作る分にはまったくコストもかからないので」
信用取引口座の開設方法
―――信用取引口座開設にはどんな手続きが必要ですか?
(杉本様) 「ウェブサイト上の申し込みで完結します。適合性原則がありますので、まったく投資経験の無いお客様にはご遠慮いただいています。そういった場合は審査落ちということもあるんですけど、投資の経験があれば開設することができます。
お客様によっては信用取引という性質上、お電話を差し上げる場合もありますけれども、口座開設という意味では現物取引経験があれば開設することができます」
つなぎ売り(信用取引)の上手な使い方を教えてください
―――つなぎ売りの上手な使い方についてアドバイスをいただいてもよろしいでしょうか?
(杉本様) 「信用取引には制度信用取引と一般信用取引があります。制度信用取引は日証金さんから株を借りて利用することになります。
しかし、制度信用でやると需給、例えばみんながその株を借りたければ、その株の貸し株料も上がりますので、逆日歩(ぎゃくひぶ)(つなぎ売り(クロス取引)を利用して株主優待をお得に取得する方法)に注意しなければ、優待や配当以上のコストになってしまいます。
ですので、ある程度コストの確定している、証券会社から株を借りる一般信用を利用していただけたほうが良いのでは、と思います。
逆日歩って次の日になってみないとわからなくて、いきなり権利付き最終日だけついちゃうということもあります。前年の実績を見ても、今年も必ずそうなるとは限らないので、やはり一般信用を使ったほうが、安心感はありますよね」
―――逆日歩がつきやすい銘柄はありますか?
(杉本様) 「飲食系で中小型株は毎回つきますね。特にジャスダックなど新興市場に上場している銘柄で良い金券類とかを出す銘柄はつきやすい。
東証一部に上場している大型株は流動性があって株式自体も多いのですが、それに比べて市場に出ている株が少ない(上場したばかりで株数が少なかったり、会社関係者で株をもっていたり)ので」
(稲場様) 「昨年ついたけども、今年つかなかったであるとか、ということもあります。よく、昨年逆日歩がついたから、今年は危ないと警戒すると、全然つかなかったりとか。
昨年つかなかったから安心したら、今年優待・配当以上のものが出たとかということもよくあるので、蓋を開けてみないと、といったところですね」
―――逆日歩の過去の実績をチェックする方法はありますか?
(杉本様) 「日証金さんがサイト上で出しているのがあります」
(稲場様) 「逆日歩が1年間で最大いくらついただとか、昨日の逆日歩がいくらだとか。ただ、権利付きの分は出ていなかったりするので、我々がランキング化するなどしてお客様に出したりもします」
(杉本様) 「優待に限らず、通常の銘柄でも逆日歩がつく銘柄ってあります。特に急騰した銘柄とか。
それは日々公表されているので、それをチェックしていただいて、自分の買おうとしている銘柄、売ろうとしている銘柄を見ていただくのがよいと思います」
株主優待に関する雑学
機関投資家は株主優待をどうしてる?
―――機関投資家も株主優待銘柄を購入されていると思いますが、発生した優待はどのようにされているのでしょうか?
(杉本様) 「我々も当事者ではないので聞く限りですが、例えば四季報で株主名簿を見ると、上のほうに信託銀行さんの名前が並んでいますよね。ああいうのは例えば年金の資金になるんですよね。信託銀行さん自身のお金ではなく、受託を受けている。
以前は優待とかにあまり興味がなかったので、会社のそのへんに山積みになっていたりとか、もあったようなんですよね。
しかし、最近は運用が厳しくなって、換金できるものはできるだけ換金してしまって、いわゆる運用益として出していくと聞いています。
ただ、例えばお米とか生ものとかは換金もなかなか厳しいと思うので、そのあたりまではどうしているかは我々もわからないです。
基本的には、換金性の高いものについては運用益として換金することもあると聞いています」
海外株式には株主優待がない?
―――海外株式は株主優待が無いそうですが?
(杉本様) 「我々もアメリカ株を扱っているんですけども、聞く限りでは株主優待は日本特有の制度です。欧米はそのあたりドライで、きっちり見える利益を追求しており、物とかは浸透しにくいみたいですね。
海外の取引している部門に聞いてみたのですが、株券は機関投資家同士で貸し借りもするので、株主優待があると貸し借りしにくいようです。我々が伝え聞いたところなので、今後どうなるかはわからないですけれども、欧米では株主優待という制度は受けているという話は聞かないですね。
投資に二の足を踏むのも日本人かと思うので、株主優待とは日本人に適した投資スタイルの1つかと思います」
日本で最初の株主優待制度は?
―――日本で株主優待が始まったきっかけをご存知でしたら教えてください
(稲場様) 「ネットで調べたところ、鉄道会社からスタートしているという話なんですけども、東武鉄道(証券コード:9001)さんが一番最初の優待ではないか?と。鉄道会社さんは今も全社で優待をやっているので、その名残かと思いますね。
戦前からやっていた会社もあるんじゃないかという話もあるので、明確な回答にはなっていないんですけども」
―――それは乗車券とかですか?
(稲場様) 「それ関連だと思います。今もフリーパスの株主優待をやっているので」
ロボアド「WealthNavi for SBI証券」について
2017年現在の資産運用として主流になりつつあるロボットアドバイザー(ロボアド)。SBI証券はWealthNavi(ウェルスナビ)と提携し、2017年1月に「WealthNavi for SBI証券」をリリースしました。
WealthNavi for SBI証券は運用開始から約4ヶ月間で60億円以上の預かり資産になるなど、同証券の人気商品の1つです。
WealthNavi for SBI証券は、あなたのお金をアメリカ市場に上場するいくつかのETFに分散投資することで、あなたの資産運用を行います。あなたは基本的にロボアドに任せるだけ。「どんな商品にいくら投資すれば良いか」という悩みから解放されるのがメリットです。
特徴の1つとして、ロボット(プログラム)が合理的にあなたの資産を運用すること。この運用アルゴリズムには、1990年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコビッツ氏の「ポートフォリオ理論」などが利用されています。
本インタビューでは高橋様から詳しい話を伺いました!
WealthNavi for SBI証券の利用者層について
―――WealthNavi for SBI証券の評判はいかがですか
(高橋様) 「2017年1月31日にリリースさせていただいてから、約50日間で預かり資産50億円突破ということで、平均すると1日1億円のペースで増えています」
―――1日1億円はすごいですね
(高橋様) 「おかげさまで利用者も1万人を突破して、2017年5月10日時点で12,000人ぐらいまできていますね。預かり資産残高も62億円まで積みあがっているので、ロボットアドバイザーというものがかなり浸透してきたと考えています。
お客様の属性は30代、40代で62.7%の比率。若い層でこれから資産形成をしていきたいと考える方たちがロボットアドバイザーを選んでいると考えています。
ウェルスナビ株式会社の柴山社長とも話をしているのですが、基本的には人間の脳は資産運用に向いていないと(笑)。マーケットの上げ下げの局面で、感情に左右されてしまう。そこをロボット・人工知能が介することで、システマティックに投資を行うのが特徴です。
投資初心者の方とか、投資ってまだやったことがない、そういった方が多いかなという気がしますね」
―――1人あたりいくら投資されていますか?
(高橋様) 「だいたい50万円ぐらいです。多い方だと1,000万円とか投資する方もいらっしゃいますが、平均すると50万円ぐらいです」
――― 利用者の男女比はいかがですか?
(高橋様) 「男性の比率が多く86~87%、女性が13~14%です」
―――その男女比はSBI証券全体の利用者比率と比較するといかがですか?
(稲場様) 「証券口座の男女比が7対3ぐらいなので、それに比べると男性比率が高いのが特徴です」
これは女性よりも男性のほうが給与が高くなりやすいため、初期投資の30万円というハードルを越えやすい可能性があるそうです!
―――投資初心者の方に好評とのことですが?
(高橋様) 「WealthNavi for SBI証券は投資の対象が海外のETFなので、我々は当初、外国株や海外ETFに投資されている方がロボットアドバイザーに飛びつくのかなと想定していました。
ところが、実際蓋を明けてみると、日本株をやっていた方や投資信託をやっていた方、こういった方々がロボアドに申し込みをされているという。一番利用比率が低かったのが海外ETFの経験者だったという(笑)」
(一同)笑
(高橋様) 「実際にWealthNavi for SBI証券に申し込みされている方の9割が海外ETFをやったことがない。入り口がAIやフィンテック、ロボットアドバイザーという言葉ですよね。そこで興味を持って投資をしてみたと。
でも、実は何で運用しているのかは後から知ったという(笑)」
(一同)笑
―――資産形成手法として投資信託の積み立てもありますが、ロボットアドバイザーと投資信託の積み立てではどちらがうまく運用できますか?
(高橋様) 「そこは難しいのですが、WealthNavi for SBI証券でも1万円から積み立てができます。最初のスタート時点では30万円から始まりますが、あとは毎月1万円からの積み立てられます。
基本的な運用コンセプトとして、ドルコスト平均法(ドルコスト平均法については月々500円から積立できる積立投信!1年間でわずか6000円の投資)を採用しています。
投資信託の積み立てもそうでしょうし、海外ETFの積み立てもそうでしょうし、やはり資産を膨らませる効果として、投資信託の積み立てもWealthNavi for SBI証券も両方ともあると考えております」
―――WealthNavi for SBI証券にはどの程度コストがかかりますか?海外ETFのコストやロボアド特有のコストが発生するのですか?
(高橋様) 「コストは預かり資産の1%/年、これが全部のコストです。ですから、ETF自体の買付コストですとか、円とドルの為替取引コストですとか、こういったものは一切かからないです。純粋に預かり資産の1%/年です」
WealthNavi for SBI証券はどんな人に向いていますか?
―――WealthNavi for SBI証券はどんな人に向いていますか?
(高橋様) 「ウェルスナビ株式会社の柴山社長とも 「WealthNavi for SBI証券って、どんな方に向いているんでしょうね」とお話をするのですが、「投資をやりたいけど何が良いかわからないよ」って方とか、20代30代の資産形成層のサラリーマンで普段忙しくしていて、一つ一つの銘柄を見ている余裕が無い方とか。
毎年退職金が減っていると言われている中で、今後の資産形成層を意識されている方、資産形成をしたい、運用したいのだけども誰に資産運用の相談をすれば良いかわからない、そういった方々のニーズにロボアドの運用は役に立つのかな、と考えております」
WealthNavi for SBI証券やロボアドの今後の展望について
―――WealthNavi for SBI証券の今後の目標についてお聞かせください
(高橋様)私どもがWealthNavi for SBI証券をスタートして4ヶ月目で預かり資産残高が60億円ぐらいまできているので、早期に100億円に到達したいと考えております。
今後、日本で自動運用とかロボット運用とか、だんだん根付いていくと考えております」
―――30万円という初期投資金額の引き下げ予定はありませんか?
(高橋様)「今、そこは現在未定となっています」
今後開始予定の「THEO + SBI証券」
(高橋様)「SBIグループで出しているので公にして良いと思うのですが、ロボットアドバイザー業界ではウェルスナビともう1つの、お金のデザインの「THEO」というものがあります。
弊社では「THEO + SBI証券」ということで、THEOも担いで、お客様、投資家の方がロボットアドバイザーを選べる時代にする、というのを考えています」
―――そうなんですね!
(高橋様)「ちなみにWealthNaviは30万円からの投資なんですが、THEOは10万円からなので、より若い層が投資をしやすく、金銭的なハードルが低くなると考えています。
THEOもWealthNaviも資産運用のコンセプトもアルゴリズムもまったく異なるんですね。それぞれの特色を生かした形で、投資家がどちらを選ぶか考えることができます。
THEO + SBI証券は7月からスタートする予定です」
―――リリースされたらサイトでぜひ紹介させていただきます
ネット証券のセキュリティについて
インターネット上のサービスに不安を感じるあなたのために、セキュリティリスク対策についての質問も行いました。
こちらはインタビューとは別にメールで回答をいただきましたので、全文をそのままご紹介いたします。
―――インターネットに不慣れなユーザーから「興味があるけど不安だ」と声を聞くことが多いです。例えば、不正アクセスされて個人情報が流出したり、自分の資産が盗まれたりするのではないか?と。何か安心できるお言葉をお願いできますでしょうか?
(SBI証券)「インターネット上でのお取引の安全を確保するため、SBI証券のWEBサイトはお客さまの情報を暗号化することで、内容を他人に知られないようにしております。
また、「ログインパスワード」と売買注文を出す際等の「取引パスワード」を別々にすることが出来ますので、二重チェックでセキュリティの確保も可能です。
お客さまのデータ管理に使用いたしますサーバーは、ファイアウォールによって外部からの侵入を防止、また、万が一サーバーや回線の障害が起こった場合にも注文執行が滞ることのないよう、万全の体制を整えており、システムの監視も24時間体制で行う等、サーバーやシステムの管理体制も徹底しております。
金融システムの安全性の向上を推進する金融ISACという組織の会員となり、サイバーセキュリティ等に関する情報収集を行い、常に有効な対策が考えられるよう尽力しております。
更に、お客さまご自身により、「ウイルス対策ソフトの導入」や「PCあんしんサービスの利用」、「パスワード管理」等を行なっていただくことで、よりセキュリティの高い環境が実現出来るかと思います(パソコンで資産運用する人のためのセキュリティリスク対策)」
ビットコインや今後の取り扱いサービスなど
ビットコインを利用した新サービスの予定はありますか?
―――ビットコインなど、仮想通貨を利用した新サービスの予定はありませんか?
(杉本様) 「我々、SBIグループの一員ということで、SBIグループは金融をネットで完結していこうと。この中には決済というのも当然入ってきます。
その1つとしてビットコインの取引所の運営会社を立ち上げると日経の1面に掲載されました。これも今後グループで取り扱って行くと。
仮想通貨 運用しやすく 10社超が参入、相場変動激しくリスクも | 日本経済新聞
グループの企業でどう展開して行くかは、今後考えていくところだと思っているんですけど、今後取り扱いが始まれば我々の証券・銀行も参加していく方向だとは思いますので、楽しみにしていただければなと思います。
値動きがかなりあるので、個人的にはそこをどうクリアするかというところが課題ではあるのかなと。中国の政策1つで半値になったりするとか、そういった話もありますので。
ただ、流れとしては、我々グループは記事が出たとおりの方針かなと考えております」
※2017年10月追記:「SBIバーチャル・カレンシーズ」の新規登録が始まりました。
ビットコイン以外で何か新サービスはありますか?
―――それ以外に今後の方針や開始予定の新サービスなどありましたら教えていただけますか?
(杉本様) 「証券でいきますと、我々は商品ラインナップを充実させていくと。弊社は設立以来、例えば手数料の引き下げなど、一貫して投資家の方にまずは喜んでいただこうと考えてきました。
そのため、新サービス・新商品というのは他社に劣らない形で全てフルラインナップでそろえて行くつもりです。
先ほどのビットコインの話もそうでしょうし、直近ではCFD、これも他のネット証券さんでやっていたので我々も取り揃えたいと。
また、海外株式も9カ国を取り扱っていますし、これは国によって投資先として適するかというのもありますけども、これも広げていく可能性もあります。
株の取引形態も、NISAやジュニアNISA、直近では積み立てNISAとかの話も出ていますけども、NISAなんかも他のオンライン証券に比べ、口座数も多いです。
そういったものは漏れなく提供して行くことになるかと思います」
積立NISAとは
2018年1月から予定の新制度。
積立投資を重視し、20年間、年間40万円までの投資で生じた利益を非課税にする。
―――はい、ありがとうございます
2016年7月開始予定の純金投資サービス
(高橋様)「あと、直近で純金ですね。予定では2017年7月3日(月)のオープンを予定しています」
―――純金積立ですか
(高橋様)「はい、積み立てです。他のネット証券さんや、私どものグループの住信SBIネット銀行でも金の取り扱いをやっていますけども、我々SBI証券としては初めて。
金は通常、1日1本値(1日1つの値段しかつかないこと)だったりするんですけど、これが24時間リアルタイムの価格で買付できると。リアルタイムで買付できる点では本邦発。
積み立ての他にスポットでの買い付けもできます」
―――裏づけのある積み立てですか?
(高橋様)「はい、そうです。現物は海外に保管する形になりますけども」
―――現物の引き出しはできますか?
(高橋様)「はい、そうです」
―――開始したら投資します!
(高橋様)「はい、お願いします(笑)」
SBI証券からあなたへメッセージ
―――最後に弊サイト「インストックネット」をご覧の皆様にメッセージをお願いいたします
(杉本様)「株式投資というのはお金が必要だったりとか、損してしまうというか、不安に感じる点が多いと思います。その点で、オンライン証券は非常に敷居が低いものですから、まずは証券口座を開設していただいて、我々SBI証券のサイトを見ていただければと。
ただ、口座を開設しなくとも閲覧できる部分はありますので、まずはご覧になっていただければなと思っております。
我々は株主優待とか投資信託の積み立て、WealthNavi for SBI証券など、投資初心者の方でも入りやすい商品を取り揃えています。コストも非常に安く提供しています。
ぜひそのあたりから始めていただければと考えております」
―――ありがとうございました
杉本様、稲場様、高橋様、お忙しいところにお時間を割いてくださりありがとうございました!
まとめ
筆者は、SBI証券の投資家に対する「思い」みたいなものを直接肌で感じることができました。できるだけ多くの投資家の、とても細かなニーズにまで答えようとしているんですよね。
これからもメインの証券会社として使い続けたいなと思いました。
SBI証券はとても取扱商品数の多い証券会社です。今後も商品をフルラインナップするということですから、あなたにとっては「で、結局何に投資すればいいの?」と感じるかもしれません。
しかし、同社には手軽な運用サービスである「WealthNavi for SBI証券」もあります。資産運用に困ったら、是非そちらをチェックしてみて欲しいと思います。
また、弊サイトでは引き続き、SBI証券のサービスや筆者のSBI証券利用状況などを公開していく予定です。
あなたの資産形成のお役に立ちましたら大変幸いです。
逆にインタビュー受けちゃった!
本インタビューに関連して、筆者がSBI証券からインタビューを受けるという、まさかの逆インタビューにまで発展してしまいました。
オススメの株主優待銘柄や優待銘柄の選び方、筆者なりの運用の仕方をざっくりと紹介しておりますので、ぜひSBI証券のサイトにてご覧ください。