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通貨選択型の投資信託って何?

通貨選択型投資信託は、投資信託を通じてFXをやっているような商品です。 大きな値上がりを享受できる可能性がありますが、一方で大きな損失を出す可能性もあります。

通貨選択型の運用が難しいのは、株や債券を買っている投資国とは別の第三国の通貨が出てくるからです。 投資対象国が2つあり、両者の資産の値動きが複雑に絡むため、基準価額の値動きも複雑になります。

故に、最初はシンプルなものを選択し、投資信託に慣れてきたら初めて少額で投資してみるのがお勧めです。

インデックス投資を推奨する書籍やブログサイトでは酷評されがちですが、筆者はそこまで嫌いではありません。 仕組みを分かっているなら買ってみるのも良いと思っています。

公開:2015年3月31日 最終更新:2016年08月15日

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はじめに

投資信託には、xxxx債レアル建てコースやトルコリラ建てと、通貨名がつけられた商品があります。

  • MHAM-米国ハイイールド債券ファンド ブラジルレアルコース
  • T&D-資源ツインαファンド(通貨選択型)(トルコリラコース
  • 日興-資源ファンド(株式と通貨)南アフリカランド・コース

この手のファンド、SBI証券では200本以上取り扱っています。

これらは「通貨選択型の投資信託」と呼ばれます。

通貨選択型の投資信託は大きな利益を得られる可能性がある一方で、理解するのが難しいために損失を出しやすいです。 個人的には好きなのですが、ジャーナリストなどにはぼろくそに叩かれるタイプのファンドです笑。

以下では通貨選択型の投資信託の特徴をご紹介します。

通貨選択型投資信託の仕組み

通貨選択型投資信託は、2種類の収入源から成り立つ投資信託です。

  • 例えば、先進国の株式や債券など、伝統的な資産セクターに投資(一階部分)
  • 高金利通貨の取引を行う(二階部分)

主な収入源が2種類あるため、二階建ての投資信託と呼ばれる場合もあります。

伝統的な資産セクターに投資する一階部分

「一階部分」では、株式や債券への投資を行います。

例えば日本株式やアメリカ株式などの先進国株式や、ハイイールド債と呼ばれる債券が主な投資対象です。 何に投資するかはファンド次第で、欧州債券やREIT(不動産投資信託)などもあります。

一階部分の収入源は、債券や株式の売却益や配当金です。

高金利通貨の取引を行う二階部分

「二階部分」では、米ドルやブラジルレアル、トルコリラなどの高金利通貨との為替取引を行います。

為替差益や、高金利通貨を持つことによる金利差の収入(いわゆる為替プレミアム)が主な収入源です。 重要なのは、一階部分の株や債券の投資対象国とは別の国の通貨を扱う点です。

例えば冒頭で例に挙げたMHAM-米国ハイイールド債券ファンド(ブラジルレアルコース)では、一階部分は米国の債券で、二階部分はブラジルレアルです。

T&D-資源ツインαファンド(通貨選択型)(トルコリラコース)は、一階部分が金と原油で二階部分はトルコリラと、先物 + FXのようなファンドです。 株式も債券も出てこないのが強烈です。

通貨選択型は値動きが複雑

株式/債券投資をしつつ、FXもやっているような取引が通貨選択型投資信託です。

上述のような仕組みから、通貨選択型投資信託の基準価額の値動きは、より複雑です。 以下のような架空の投資信託を例に、基準価額の値動きを考えてみます。

基準価額は投資信託の選び方③。基準価額と純資産だけで選ぶ方法で触れていますが、アバウトに基準価額が伸びるほど私たち個人投資家の利益と考えてください。

架空の投資信託で考えてみる

アメリカの株式に投資をしつつ、ブラジルレアルとの為替取引を行う通貨選択型投資信託「インストック投資顧問 - アメリカ主要株式ブラジルレアルコース」があると仮定します。 通貨取引は、円(※)とレアル間で行うものとします。

  • アメリカ株式(一階部分)・・・売却益や配当金が収入源
  • ブラジルレアル(二階部分)・・・為替差益が収入源

一般投資家の購入/解約による影響は一切考えないものとします。

※ここでは感覚的な理解しやすさをもとに円で説明します。 一般的にはドルを元に取引するなど、厳密な取引とは異なる説明になっている箇所もあることをご了承ください。

表1. 株価と通貨の影響

一階部分
株価上昇
一階部分
株価下落
二階部分
円安レアル高
基準価額上昇 互いに打ち消しあう
二階部分
円高レアル安
互いに打ち消しあう 基準価額下落

株式が値上がりし円安レアル高になる場合

株式が値上がりすると、ファンドの純資産が増えるため、基準価額は上昇します。

円安レアル高になることで、1レアル換金時に得られる円は多くなります。 レアルを保有することで、金利差による収入もあります。

すなわち、このパターンでは基準価額が大きく伸びます。

株式が値下がりし円安レアル高になる場合

株式が値下がりすると、ファンドの純資産が減るため、基準価額は下落します。

円安レアル高になることで、1レアル換金時に得られる円は多くなります。 レアルを保有することで、金利差による収入もあります。

結果、株式の値下がりと為替での収益が打ち消しあう関係にあります。

株式が値上がりし円高レアル安になる場合

株式が値上がりすると、ファンドの純資産が増えるため、基準価額は上昇します。

円高レアル安になることで、1レアル換金時に得られる円は少なくなります。 金利差による収入はあるものの、為替損失のほうが大きくなると考えられます。

結果、株式の値上がりと為替での損失が打ち消しあう関係にあります。

株式が値下がりし円高レアル安になる場合

株式が値下がりすると、ファンドの純資産が減るため、基準価額は下落します。

円高レアル安になることで、1レアル換金時に得られる円は少なくなります。 金利差による収入はあるものの、為替損失のほうが大きくなると考えられます。

結果、株式の値下がりと為替での損失で、基準価額が大きく下がります。

忘れてはいけない円とドルの関係

ここまで4パターンの組み合わせで基準価額の増減を考えましたが、それとは別に円とドルの関係も忘れていけません。

ここでは、アメリカの株式へ投資することを例に考えています。 円とドルのレートもまた、基準価額に影響を与える要因になります。

円高ドル安は基準価額下落要因に、円安ドル高は基準価額上昇要因になります。

通貨選択型はリスク要因が多い

以上のような仕組みから、通貨選択型投資信託は、普通の投資信託に比べてリスク要因が多くなります

  1. 投資対象国の株価/債券の値動きリスク(一階部分のリスク)
  2. 日本国と投資対象国との為替変動リスク(一階部分のリスク)
  3. アメリカ(日本国)と為替取引対象国との為替変動リスク(二階部分のリスク)
  4. 為替取引対象国のカントリーリスク(二階部分のリスク)

注意すべきは二階部分のリスクです。

一般に二階部分の為替取引に利用される通貨は

  • 豪ドル
  • ブラジルレアル
  • トルコリラ
  • 南アランド

など、資源国や新興国の通貨が選ばれます。 これらの国々は原油に代表される資源安や、国家内の治安の悪化で為替が急落する恐れがあります。

前述のアメリカ株式ブラジルレアルコースでは、二階部分はブラジルレアルです。 近年のブラジルはオリンピックの話題以外では、原油安や汚職など、あまり良い話がありません。

通貨選択型の選び方

表面上の利回りに惑わされず、米ドルコースを選ぶのが無難です。 米ドルは為替の金利収入は少ないものの、為替レートが安定的で、そこまで一階部分の収益に影響を与えません。

よく分からない国の通貨を選ぶときは注意が必要です。 特に、為替が円高トレンドを描くときには、購入後ずるずると基準価額が落ちて行く可能性があります。

その他、

です。

残念ながら、本記事は「通貨選択型はこれを買え」とはオススメできません。 手数料が高いものが多く、定番的なものが無いからです。

筆者はこの手のファンドは割とその場の思いつきで買いますし。

為替に投資したいなら

がまぐち

もし、あなたが為替への投資目的で通貨選択型を選ぼうとしているなら、外貨建てMMFや単一国に投資する海外債券ファンドがオススメです。

どちらも債券の価格変動以上に為替変動が影響を与えるため、擬似的に為替に投資するのと同じ効果が得られます。 特に前者の外貨建てMMFは債券部分の価格変動が小さいため、円換算の価値はおおよそ為替相場によって決まります。

基準価額下落時に確認すること

通貨選択型投資信託の基準価額下落を経験した際、「なぜ基準価額が下落したのか」を考えるために、以下のような点をチェックしてみてください。

  1. 投資対象国の株価/債券が値下がりしていないか
  2. 日本国と投資対象国との為替が不利に働いていないか
  3. アメリカ(日本国)と為替取引対象国との為替が不利に働いていないか
  4. 為替取引対象国で経済的な問題などが発生していないか

前述の通り、高金利通貨は新興国や資源国であることが多いため、国内での混乱や石油などの資源価格の影響で、為替レートが大きく動くことが多々あります

最近ですと、トルコリラは長期的な円高トレンドを描いており、トルコリラコースの投資信託には悪い影響を与えています。 たとえ為替の利回りが良くても、円高に進むのであれば投資できません。

まとめ

以上のように、普通の投資信託に比べ、複雑な仕組みを持つのが通貨選択型投資信託です。

筆者はFXもやっているため、この手の投信は嫌いではありません。 むしろ、割と好きだったりします。

ですが、「通貨選択?あれはいいものだ」なんて言えません。 上記の複雑な仕組みを理解できないまま、なんとなく儲かりそうな雰囲気に騙されて購入している投資家が多いと感じるためです。

なお、通貨選択型投資信託は手間がかかるために、総じて手数料が高くなる傾向にあります。 シンプルなインデックス物を選んだほうが、最終的に儲かることも多々ある話です。

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