公開:2017年03月22日 最終更新:2017年03月23日

確定拠出年金(iDeCo)で選ばないほうがよい商品例

個人型確定拠出年金(iDeCo)では、様々な投資信託を選べるため、逆に投資信託選びが難しく、利用に不安を感じるという声を聞くこともあります。

あなたも投資信託選びで迷ったりしていませんか

投資信託の1つの選び方は消去法です。

運用に適さない商品をばっさばっさと除外することで、運用に適した商品を残し、そこから選ぶのです。

そこで、以下では筆者が「あまり選ばないほうが良いかなー」と考えている商品の特徴をいくつか紹介します。

また、具体的な商品例としてSBI証券の確定拠出年金プランで選択できる投資信託を利用します。

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選ばないほうがよい商品

信託報酬が高い投資信託

投資信託の信託報酬は将来確実に発生する手数料です。手数料は安価に抑えることであなたの運用成績はよくなります

例えば、以下のような商品を考えます。

  • 年間運用利回り5%
  • 年間信託報酬2%

あなたがこの商品から得られるリターンは3%です。残り2%は信託報酬として、運用成績から引かれます。

もしこの商品の信託報酬が半分の1%になったら、あなたが得られるリターンは4%になります。

この1%の差は運用年月が長くなるほど運用成績の差として表れます図1)。

毎月1万円を利回り0%、3%、4%の商品へ20年間積立投資した場合の成績差

図1. 毎月1万円を利回り0%(運用なし)、3%、4%の商品へ20年間積立投資した場合の成績差

SBI証券の確定拠出年金プランでは、同じ運用方針で信託報酬が異なる2つのファンドがあります。

  • 三井住友TAM DC外国株式インデックスファンド・・・0.864%
  • ニッセイ DCニッセイ外国株式インデックス・・・0.2268%

この2つのファンドの大きな違いは運用会社と信託報酬です。

このケースでより大きな利益を目指すなら、DCニッセイ外国株式インデックスを選ぶのが正解です。

コモディティファンド

原油イメージ(PIXTA)

図2. 原油イメージ(PIXTA)

コモディティとは原油(図2)や純金など、貴金属や資源、農産物のことを示します(原油や金に投資を始める方法)。

コモディティは需要と供給だけで価格が決まります。

  • 金や原油は付加価値(配当金や分配金)を生みません
  • 金や原油の業績がよくなって価格が上がることはありません

もし、近い将来原油や金の需要が減ったら、それに投資するコモディティファンドの時価も下がります。

配当金や利金が累積する株式や債券と異なり、コモディティは時価が下がると簡単に元本が割れやすいのです。

コモディティへの投資は最小限で良いと思います(筆者個人は投資不要だと考えてます)。

選ぶのに注意したほうが良い商品

アクティブファンド

投資信託の運用方針には主に以下の2つがあります。

  • アクティブファンド・・・市場平均以上の成績を目指す
  • インデックスファンド・・・市場平均と同じ成績を目指す

例えば、ある期間の日経平均株価が3%値上がりしたら、

  • アクティブファンドは3%以上の成績を目指す
  • インデックスファンドはきっちり3%の成績を目指す

といった違いがあります。

これだけ見るとアクティブファンドを選びたくなりますが、残念ながら市場平均に負けるアクティブファンドも少なからずあります

なぜなら、その多くは高い信託報酬を設定しているため、目立った成績を上げないと、信託報酬分で利益が失われてしまうからです(表1)。

表1. 市場平均に負けるアクティブファンドのモデルケース

アクティブF インデックスF
市場平均 4.0% 4.0%
ファンド利回り
(市場平均との差)
4.5%
(+ 0.5%)
4.0%
(+ 0.0%)
信託報酬 1.5% 0.2%
私たちの利益
(市場平均との差)
3.0%
(- 1.0%)
3.8%
(- 0.2%)

アクティブファンドである「三井住友TAM DCグッドカンパニー(社会貢献に取り組む企業へ積極的に投資する)」は、過去3年の運用成績で市場平均である東証株価指数(TOPIX)に負けています(2017年3月現在)(図3)。

  • DCグッドカンパニー・・・35.12%の値上がり
  • TOPIX・・・36.64%の値上がり

「社会貢献に取り組む企業への投資」という目的に賛同して投資するなら良いと思います。

一方、あなたが利益を得るために投資するだけなら、TOPIXに連動するインデックスファンドである三井住友DC日本株式インデックスファンドSのほうが利益を享受できます。

DCグッドカンパニーとTOPIXの成績差(2014~2017年)(運用データはモーニングスターより引用)

図3. DCグッドカンパニーとTOPIXの成績差(2014~2017年)(運用データはモーニングスターより引用)

優れたアクティブファンドもありますが、

  • 成績の優れたファンドを見出すのは難しい
  • 現在、成績の良いファンドが、将来も高い成績を出し続けるとは限らない

点で選ぶのが難しいのです。

新興国に投資するファンド

2017年現在、新興国への投資は値動きが大きいため、大きく儲かる可能性がある一方で、大きく損を出す可能性もあります

あなたが「損失を最小限にしたい」と考えているなら、新興国に投資するファンドは選ばないほうが良いです(図4)。

シュローダーBRICs株式ファンドと先進国株式との成績差(2014~2017年)

図4. シュローダーBRICs株式ファンドと先進国株式(MSCIコクサイ)との成績差(2014~2017年)

SBI証券のプランでは例えば、

  • ハーベストアジアフロンティア株式ファンド(東南アジアなどに投資)
  • シュローダーBRICs株式ファンド(ブラジルやロシアなどに投資)

などがあります。

これらは信託報酬も2%近いことから、なかなか選びにくい商品だと思います。

実際に消去法で投資信託を選ぶ

では最後に、上記の条件を使って投資信託の選別をしてみます。

2017年3月時点のSBI証券の確定拠出年金プランでは、61のファンドを選択できます。

ここまでに挙げた、

の条件に当てはまるものを除外してみます。

  1. 信託報酬1%未満の投資信託
    61 → 47件
  2. コモディティファンド以外
    47 → 46件
  3. アクティブファンド以外
    46 → 38件
  4. 新興国ファンド以外
    38 → 35件

ここからバランスファンド(バランスファンドとは?簡単に分散投資を実現する方法)を除くと24件です。

さらに、同じ運用方針で信託報酬がより高いものを除外すると15件程度になります。

これだけでも最初の61件に比べると選びやすくなったと感じませんか。

まとめ

以上をまとめると、

  • 信託報酬が高いファンド(とコモディティファンド)は外したほうが良い
  • アクティブファンドと新興国ファンドへの投資は運用成績に注意
  • これらを選ぶ際は、投資割合を大きくしすぎない

です。

この中でも信託報酬の高低には特にご注意ください。

私たちは将来の成績は選べない一方で、将来発生する手数料は選ぶことができます。

投資信託選びにおいて手数料が安いことは良いことなのです。

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