AndroidやiPhoneなど、スマホのスペック表にはギガバイト(GB)で示される数値が出てきます。この数値は、
- 動画や写真などを保存するためのストレージの大きさ
- アプリを動作させるために必要な一時的なメモリの大きさ
をそれぞれ示しています。
いずれも、値が大きくなるほど購入時の値段も高額になりますが、性能が良いために、快適に利用できるようになります。
実は、株やFXをやる上で、スマホのスペック表に示されるGBの大きさはあまり重要ではありません。少なくとも、あなたがここ2、3年のうちに購入したスマホなら、どのスマホであっても満足に取引できるはずです。
一方、株やFX、資産運用をスマホでやるときに注意するのが、スマホのOSのバージョンです。Androidは5.0未満、iOSは8.0未満のスマホは、すでに機種変更すべき時期に来ています。
古すぎるスマホはセキュリティ上のリスクがあることも忘れないでください。
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「何ギガ(GB)」とは何か
2017年10月時点で販売されているiPhoneの性能表(Appleのウェブサイトより)
iPhoneなどのスマートフォンを購入したときに、よく目にする単位の一つがギガ(ギガバイト、GB)。スマホに限りませんが、「この単位の示すものが何を表すのか・・・」「xxをやるには何ギガ必要か」という質問はよくある質問です。
例えば、2016年6月現在販売されているiPhone6Sは、
- 16GB
- 64GB
- 128GB
の3種類が販売されています。数値が大きいほうが良さそうですが、値段も高くなるので、選択が難しいところですよね。
この性能表で目にするギガバイトとは、電子データの情報量を示すバイト(byte)に、サイズの大きさを示す接頭辞ギガ(Giga)をくっつけた言葉です。私たちになじみの深い単位「キロ」の1000倍の1000倍の大きさを示します(デジタルは2進法なので、厳密には1024倍の1024倍)。
ギガの下にはメガ(ギガの1000分の1)、ギガの上にはテラ(ギガの1000倍)という単位もあります。2016年現在、スマホでよく利用される接頭辞はギガ、パソコンの分野ではギガとテラがよく利用されています。
上記のiPhone6Sの例で言えば、16GBや64GBといった数値は、iPhone本体の「ストレージ領域」にどのくらいファイル(メール、写真、動画、文章、MP3などの音楽ファイルなど)を保存できるかを示しています。このストレージの数値が大きいほど、たくさんの写真や動画が保存でき、ストレージの数値が小さいほど、写真や動画の保存容量に制限がつきやすくなります。
なお、ストレージとは「貯蔵」や「保管」などの意味を持ちます。画像や動画などのデータを貯めておく場所、それがストレージです。
ROM/RAMとは何か
Xperiaの内蔵ストレージ
ところで、XperiaやAquosなど、Android OSを搭載したスマホのスペック表を確認すると、「ROM/RAM」という記述が掲載されています。これも上記のGBで単位が示されています。
例えば、筆者が保有するXperia Z5の場合には、「内蔵(ROM/RAM)32GB/3GB」との記述があります。iPhone6Sと似てそうですが・・・数値が2つあるのがややこしいですね。
このうち前者のROMは、上述のiPhoneの例と同じ内部ストレージのサイズです(※)。Xperia Z5のストレージはiPhone6Sの64GBモデルの半分ですから、保存できる写真や動画の量も少なくなることがわかります。
後者のRAMとは、「メモリ」と呼ばれます。アプリなどを実行する際に、そのアプリを動作させるために、一時的な「作業場」が必要です。RAMはその作業場の大きさのことで、こちらの数値が高いほど、スマホの動作もスムーズになる傾向があります。
一般に、スペック表でGB(将来的にはTBもありうる)で示される数値が2つの出てきたら、数値の大きいほうがストレージ、数値の小さいほうがメモリと覚えておくと良いと思います。
ちなみにiPhone6Sのメモリ(RAM)は、公式サイトでは公開されていませんが、2GBだそうです。iPhone6SのROMが上述の16GB、64GB、128GBです。
※本来、ROMといえばRead Only Memoryの略称で、読み込み専用のメモリのことを示します。ただ、スマホのスペック表においては、ストレージ部分の容量をROMで示すようです。
投資や資産運用には「何ギガ」必要か?
ここからが本題です。
スマホを通じて投資や資産運用をする場合に何ギガ必要なのか。
実は、あなたのお使いのスマホが何ギガであっても、投資や資産運用にはほとんど差し支えがありません。
つまり気にする必要は無いのです。
理由は以下の2つです。
モバイルサイトなら全てのスマホで利用可能
例えば、証券会社が提供するモバイルサイトを通じて株の売買などを行う場合、私たちはスマホに最初から用意されている「ブラウザアプリ(ChromeやSafariなど)」を利用します。ブラウザとは、古くはガラケーの時代からでも動作しているような「枯れた」アプリであり、ここ2~3年で購入したスマホならばほぼ問題なく動作しているはずです。
ブラウザを持たないスマホは、インターネットの閲覧ができません。あなたがインターネットを閲覧しているなら、おそらく無意識的にブラウザを利用しているはずです。
あとはそのブラウザアプリから、証券会社のモバイルサイトにアクセスすれば良いだけです。
スマホ株アプリを使えないことはほとんどない
証券会社がリリースするスマホアプリをする場合には、アプリのサイズがストレージの空き容量以下である必要があります。
一般的には、アプリのサイズはストレージのサイズより圧倒的に小さいので問題になりません。例えば、筆者のXperiaは32GBのストレージに対して、普段利用するSBI証券の株アプリが必要とするストレージサイズは133MB(0.1GB)だけです。
一方、ストレージを動画や写真で埋め尽くしてしまった場合には、たとえストレージ容量が16GBだろうが128GBだろうが、スマホ株アプリはインストールできません(つまり取引できない)。
しかし、その場合は、不要な写真や動画を消したり、スマホ内のデータをSDカードやパソコンなどに移し、使用済みのストレージを空けてやることで、スマホアプリをインストールできるようになります。
つまり困ったらデータの整理をすれば良いので、ストレージの大小は障害にならないのです。
OSのバージョンだけ気をつけて
例外的に、スマホ株アプリを利用できないケースがあるとすれば、それはあなたが使っているスマートフォンのOSが古すぎる場合です。
OSのバージョンが古すぎると、取引アプリのインストール要件を満たさないほか、ウイルス感染などセキュリティ上のリスクを抱える可能性があります。
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2017年現在の目安としてAndroidは5.0未満、iOSは8.0未満のものは買い替えを検討したほうが良いと思います。スマホは進化が早いので、購入から3年程度経てば十分に古いものだと筆者は感じます。
結局何ギガを選べばよい?
結局何ギガを選ぶかは、あなたのスマホの使い方とあなたの予算に依存します。現在新品として店頭に並んでいるスマホならば、どんな物を買っても、スマホ株アプリは動きますから安心してください。
あなたが写真や動画をたくさん録りたいなら、ストレージの容量は多いほうが良いです。それよりも安価に済ませたいなら、ストレージの容量は少なめにして、安価な機種を選択します。
ちなみに筆者は、メモリ(RAM)2GB以上、ストレージ(ROM)16GBあれば十分です(この数値は投資に必要なスペックではありません)。ストレージ容量が少ないように感じますが、定期的にパソコンにデータを移動させれば良いからです。
まとめ
- スマホの性能表でみかけるGB(ギガバイト)とは、内蔵ストレージかメモリのサイズのこと
- 株取引アプリを利用する際に、メモリやストレージのサイズはさほど重要にはならない。特に新しいスマホなら大丈夫
- スマホのOSのバージョンだけに注意して。購入から3年程度たった古いスマホはアプリの動作不要やセキュリティリスクなど問題を抱えがち
あまりスペック面は気にせず、スマホ株アプリをインストールして試してみてください。
問題なく使えますから。