株式を買いたいとき、いったいいくらで購入できるのか、なかなか想像つかないですよね。
株式投資に必要なお金は「1株あたりの株価 × 株の購入単位である単元(たんげん)」で計算でき、例えば1株5,190円で1単元100株のマクドナルド株を取引するには519,000円必要です(2018年7月29日現在)。
約52万円はちょっと高額ですね!
でも、実は10万円や5万円以下の投資で株主優待や配当金をもらえる銘柄(株式銘柄)もあるんです。株価って銘柄によって大きく異なるんです。
この記事で述べたいことは主に以下の事柄です。
- 株式を買うために必要な金額は「1株あたりの株価 × 株の購入単位である単元」で計算する。株主優待を欲しい場合は単元を意識しよう
- 多くの銘柄は50万円までの投資で購入できる。単元未満株やるいとう(キンカブ)など、1万円未満から株を買えるサービスを提供する証券会社も
- 株を買うために証券口座を開設しよう。株は証券口座に入金したお金の範囲内で購入できる
それでは株の購入手順や必要なお金について一緒に詳しく確認しましょう。
株を取引するために必要な知識「株価と単元」
株式は「1株あたりの株価 × 単元株数」で購入価格を計算できます。
「株価」とは1株あたりの価格のこと
出典:ヤフーファイナンス
株価とは「株1株」あたりの値段です。例えば、ヤフーファイナンスや新聞の株価一覧等は全て1株あたりの価格を表示しています。
1株の値段は数円~1万円と幅広いので、一概に「1株いくら」とは言えません。
「単元」とは株の販売単位のこと
出典:ヤフーファイナンス
単元とは株を購入できる売買単位のことです。国内株式の単元は100株が一般的で、100株を1単元、200株を2単元・・・と呼びます。元々は1単元1,000株の銘柄もありましたが、2018年7月時点で上場企業の99.6%の銘柄が1単元100株に統一されています。l
株価と単元で株取引に必要なお金を計算できる
例えば、企業Aの株価が300円で1単元100株なら、購入金額は300円 × 100株 = 30,000円です。同様に、企業Bの株価が1,000円で1単元1,000株なら、購入金額は1,000円 × 1,000株 = 1,000,000円です。
株を購入するときにお金はいくら必要?
では、具体的な企業の株を購入するために必要なお金の話です。
株を始めたい時に準備すべきお金は20万円ぐらい!?
東証に上場する株式は、2018年3月6日時点で「3,764(JDR銘柄など特別なものも含む)」社あり、大半は50万円未満です。
下表は取引に必要なお金をまとめたもので、例えば「28社の企業の単元価格(= 株価 × 単元)は1万円以内で取引できる」とお読みください。
用意する金額 | 取引可能銘柄数 |
---|---|
~1万円 | 28 |
~10万円 | 1,047 |
~20万円 | 2,177 |
~30万円 | 2,849 |
~50万円 | 3,400 |
~100万円 | 3,688 |
上表を見ると、20万円の投資で上場銘柄の半数を超える2,177銘柄を選べます。この中にはイオンや吉野家などの株主優待銘柄も含まれますから、最初は20万円程度から始めてはどうでしょうか。
なお、投資初心者が株を買うための預け金や担保は不要です。その代わり、購入時に手数料(株式委託手数料)がかかることだけ覚えておいてください。

有名企業の株式の取引に必要なお金はいくら?
以下は、株主優待と配当金を設定する有名企業(個人投資家に人気の銘柄)の株式1単元を買うために必要な金額です。
企業名 | 単元価格 (必要なお金) |
---|---|
楽天 | 77,700 |
日産自動車 | 103,700 |
イオン | 228,500 |
吉野家 | 189,600 |
JAL(日本航空) | 428,300 |
ANA(全日空) | 417,100 |
マクドナルド | 519,000 |
オリエンタルランド (ディズニーランド経営) | 1,162,500 |
個人投資家に人気の銘柄は値上がりしやすいので、有名企業の株だけ購入するには、まとまったお金が必要です。
なお、株価は株の発行数量でも決まるため、企業規模と株価は比例しません。例えば、みずほフィナンシャルグループは、時価総額(株価 × 株数)国内18位ながら、約2万円で投資できるんです。
最低500円から株を購入する3つの仕組み
例えば、オリエンタルランドのような高額な銘柄も、1回あたりの購入金額を抑えることで、もっと手軽に購入する方法があります。
- 単元未満株
- るいとう(株式累積投資)
- キンカブ(「るいとう」のネット版)
https://www.instock-ex.net/archives/3631
単元未満株投資
株式を1株から購入できるサービスを「単元未満株(たんげんみまんかぶ)」と呼び、ネット証券3社(SBI証券、マネックス証券、カブドットコム証券)が提供します。
単元未満株制度を利用すると、通常1単元で取引する株式を1株から購入できます。例えば、オリエンタルランドなら1株11,625円(+ 手数料)、マクドナルドなら1株5,190円(+ 手数料)から購入できます。
https://www.instock-ex.net/archives/211
1万円から投資できる「るいとう(株式累積投資)」
「るいとう(株式累積投資。かぶしきるいせきとうし)」は、毎月1万円から1,000円単位で株式に積み立てるサービスです。
るいとうは総合証券の店頭窓口で利用できるサービスなので、平日働いているサラリーマンには使いにくいと思います。
500円から投資できる「キンカブ(日興フロッギー(旧:FROGGY))」
SMBC日興証券が提供する金額・株数指定取引(キンカブ)は、1回500円から株式を購入できます。同社では、2019年に投資メディア「日興フロッギー(旧:FROGGY)(フロッギー)」で「記事を読んで500円で株を買う」というサービスもスタートしました。
https://www.instock-ex.net/archives/3580
単元未満株やるいとう。株主優待や配当金は貰える?
両サービスとも購入した株数に応じて配当金をもらえます。一方、株主優待は単元まで買い進める(例えば、1株を100回購入して100株にする)ことで取得可能です。
サービス名 | メリット | デメリット |
---|---|---|
単元未満株 | 数百円から投資可能 持ち株数に応じた配当金 | 株主優待を貰えない (単元株に達すれば貰える) |
るいとう | 1万円以上1,000円単位で投資可能 持ち株数に応じた配当金 | 株主優待を貰えない (単元株に達すれば貰える) |
キンカブ (日興フロッギー(旧:FROGGY)) | 500円以上500円単位で投資可能 持ち株数に応じた配当金 | 株主優待を貰えない (単元株に達すれば貰える) |
簡単だよ!株を購入するまでの手順
証券口座を開設しよう
株式は証券会社を通じて売買しますので、証券口座を開設しましょう。
証券口座を開設するとき、あなたの年収や資産、入金額に関する悩みは不要です。例えば、筆者がみずほ証券の口座を申し込んだのはフリーターの時です。
証券口座を開設したらお金を入金しよう
株式は事前に入金したお金の範囲内で取引する(前受制)ので、証券口座開設後~取引前にお金を入金します。
最低入金額などはありませんので、あなたが投資したいお金を入金してください。筆者がみずほ証券口座開設後に入金したお金は1万円だけでした。
入金したお金で株式を買おう
証券口座にお金を入金したら、株を買ってみましょう。2018年現在、株の買い方には以下のようなものがあります。
- スマホアプリ(いわゆる株アプリ)
- パソコンアプリ(デイトレ専用の取引ツールなども充実しています)
- 証券会社の窓口
- 電話
https://www.instock-ex.net/archives/2296
【動画】スマホで株を買うってどんな感じ?
この動画はネット証券の一社であるSBI証券の無料スマホアプリ(Android / iPhoneとも同じデザインです)です。株主優待銘柄として有名な、イオンの株式を購入しています。

注文条件を細かく見ると、預り区分や執行条件、指値(さしね)や成行(なりゆき)など、初めてのうちは難しく感じる語句(株式投資特有の語句)が多く出てきます。難しく感じるでしょうが、その場合には、注文したい株価以外は動画と同じ手順で試してみて欲しいな、と思います。
以下は楽天証券の場合です。画面上の差異はあるものの、スマホアプリを使って株を購入する流れ自体は、SBI証券のものと同じです。
株はいつ購入できるの?
スマホやウェブサイトから購入する限り、原則24時間365日のいつでも注文を出せます。東証の取引時間は平日の9時~15時(11時半~12時半は休憩時間)なので、時間外に注文を出した場合には、翌営業日まで注文受付のまま保留されます。
日曜日でも注文できますし、仕事帰りの夜でも注文できます。しかも、SBI証券のようなPTS(私設取引システム)を導入した証券会社なら、平日の夜にリアルタイムで株を購入できます。


正直、「いつ購入できるか」は気にしなくて大丈夫です。
まとめ
- 株式を買うために必要な金額は「1株あたりの株価 × 株の購入単位である単元」で計算する。株主優待を欲しい場合は単元を意識しよう
- 多くの銘柄は50万円までの投資で購入できる。単元未満株やるいとう(キンカブ)など、1万円未満から株を買えるサービスを提供する証券会社も
- 株を買うために証券口座を開設しよう。株は証券口座に入金したお金の範囲内で購入できる
20万円程度を用意すれば、多くの銘柄を取引して株式投資を楽しむことができます。興味をお持ちなら、ネット証券を利用して取引を始めてみてはいかがでしょうか。