PTSって何?夜も株を買えるってホント? | インストックネット

公開:2014年5月7日 最終更新:2017年07月12日

PTSって何?夜も株を買えるってホント?

PTSなら夜間に株式が買えます

昼間忙しくて株を買う暇が無い・・・。夜間に株取引ができたらいいのに・・・。

いったい、みんないつ株を買ってるんだ??

あなたがそう思っているなら、PTS(私設取引システム)のことを要チェックです!

PTSを利用すると夜間17時以降にリアルタイムで株を売買できます。株取引の臨場感を味わうため、一度利用してみてはいかがでしょうか?

当初、PTSは複数の証券会社で利用できる取引制度でしたが、現在はSBI証券のみが取引に対応しています。もしあなたがPTSを通じて夜間の株取引を始めたいならば、SBI証券への口座開設が必要です。

SBI証券への口座さえ持っていれば、PTSを利用するための特別な手続きは必要はありません。

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はじめに

株式市場は9時~15時しか開いていないため、あなたも仕事でリアルタイムの株取引ができないはずです。 会社勤めのサラリーマンはいつ株を買うの?で示したように、予約注文を利用すれば売買できるのですが、リアルタイム取引ならでは臨場感を味わうことはできません。

せっかく投資に興味をもっても、それではちょっとつまらないですよね。

そこで、夜間リアルタイムに株取引を行いたいあなたに私設取引市場(PTS)制度を紹介します。

PTSを利用できる証券会社に口座を開設すれば、夜17時以降も株取引が可能です。 晩酌しながら株の売買ができるのです。

そもそもPTSとは何?

PTSとはProprietary Trading Systemの略称で、「私設取引システム」と称されます。

平成10年に施行された「金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律」において、東京証券取引所外で上場株式の株券売買が可能になりました。 これを受けて設立されたのがPTSです。

設立当初は複数の証券会社で利用できる制度でしたが、2016年7月現在で取引できるのはSBI証券のみです。 同社では、SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する「ジャパンネクストPTS」を通じて、市場外取引を実現しています。

ジャパンネクストPTSでは、第一市場J-Marketと第二市場X-Marketの2つがあります。 ただし、私たちがそれを意識的に使い分けることはありませんので、両者をまとめてPTSと呼ぶのが普通です。

以下、ジャパンネクストPTSをベースに特徴を説明します(※)。

※2017年1月現在、SBIジャパンネクスト証券以外のPTSはありません。

PTS取引の特徴

PTS取引は時間帯によって2つに分けることができます。

デイセッションの特徴

デイセッション(午前8時20分から午後16時00分)のうち、午前9時から午後15時までは、昼間の東京証券取引所と平行して取引されています。

同じ時間に2つの市場が開いているのです。

両市場で、同じ株式の株価は必ずしも同一とは限りません。 この価格差を利用すれば、より高く売れる市場で売り、より安く買える市場で買うことができるのです。

SBI証券では、東京証券取引所とPTS市場への同時発注を市場最良値(SOR)注文と呼びます(図1)。 市場最良値(SOR)で出された注文では、東証とPTSのうち、私たちにより有利な条件で約定(注文が決まること)します。

そのため、普段は市場最良値注文を使うことをおすすめします。

明示的に東京証券取引所かPTS市場のいずれかのみに出したいときは、東証、もしくはPTSを選択します(図1)。

PTSでの発注の仕方(SBI証券利用時)

図1. PTSでの発注の仕方(SBI証券利用時)

SBI証券では、市場最良値(SOR)、東証、PTSの3つを明示的に選択して発注可能です。

市場最良値で発注すると、東証とPTSに同じ価格で注文され、先に売買が成立した側での買付(売却)になります。 成行注文時は、より価格の安い方(売却時は高い方)で自動的に成立します。

意図的に東証もしくはPTSのいずれかに注文を行うことも可能です。

PTS側に注文を出した場合には、デイセッションからナイトセッション、ナイトセッションから翌日のデイセッションへの注文引継ぎは行われません。

ナイトセッションの特徴

ナイトセッション(午後17時から23時59分)は貴重な夜間取引です。 昼間仕事で忙しいサラリーマンでも、夜PTSを利用してリアルタイムトレードを体験できることを示します。

上述の通り、PTSはSBI証券しか提供していませんので、夜間リアルタイムに国内株式を取引できるのはSBI証券のみです。

PTSのデメリット

最初にデメリットについてご紹介します。

  1. PTSで高値(安値)だから翌日も高値(安値)とは限らない
  2. 売買できないリスク「流動性」に注意

PTSで高値(安値)だから翌日も高値(安値)とは限らない

東証とPTSは別の市場ですから、PTSで株価が高いからと、翌日も株価が上がるとは限りません。 逆もしかりで、株価が安いから翌日も安いとは限りません

これは

  • PTSの売買主体が個人投資家なのに対し、東証では機関投資家も売買に参加するため、両者の認識に違いがある
  • PTSが終了した後に日経平均先物や円相場が大きく動いた

ことに起因します。

例えば、15時以降に業績を発表した企業の株式が、ナイトセッションで暴騰する場合があります。 その業績を個人投資家が好意的に受け止めたためです。

しかし、 夜間PTSでは暴騰した銘柄が翌日暴落する場合もあります。 個人投資家が好意的に受け止めた発表を、機関投資家は否定的に受け止めて大量に売りを出したためです。

このケースではナイトセッションで高値に飛びついた個人投資家は、大幅な含み損を抱えてしまいます。

筆者は、ナイトセッションで日中より高値で売りに出すのはお勧めですが、日中終値よりも高値で買い付けるのはあまりお勧めしません。 特に業績発表等で暴騰している株を購入される時には、慎重に判断されたほうが良いと思います。

売買できないリスク「流動性」に注意

日中の市場に比べ、夜間PTSは参加者がそれほど多くないため、少なからず流動性リスクを抱えます。 流動性リスクとは買いたい(売りたい)けど買えない(売れない)リスクのことで、取引の参加者が少ない時に生じます。

参加者が少ない銘柄は、下図2のように、そもそも取引が成立しなかったり極端な買値(売値)が示されていたりします。 後者の極端な買値(売値)に飛びついてしまうと、あとあと大損しますので注意が必要です。

売買する前に当日終値をチェックし、現在の価格が適正かを見てから取引することをオススメします。

東証(左)とPTS(右)での注文状況の違い

図2. 東証(左)とPTS(右)での注文状況の違い

このスクリーンショットはナイトセッションが始まって間もない19時6分ごろのものです。 どちらも同じイオン株の売買状況を示します。

PTSは個人投資家が売買主体なので、「板」はどうしても薄くなりがちです。 図中では、いくつか値が飛んで注文が出ており、例えば1735.5円のところに100株の売りが入っています。 当日の東証では1株1435.5円で取引を終えているので、この売り注文は適性な価格ではありません。

1735.5円の売りを買ってしまうと、1株あたり300円高い買い物になり、しばらくの間は含み損を抱えます。 これを高値掴み(たかねつかみ)と言い、ネット上ではジャンピングキャッチなどとも言います。

PTSのメリット

PTSには以下のようなメリットがあります。

  1. 東証との価格差を利用できる
  2. 海外の状況を元に売買できる
  3. 手数料が優遇されている

昼間多忙でも夜取引できる点も大きなメリットです。

東証との価格差を利用できる

前述の流動性リスクは、見方を変えるとメリットにもなります。 例えば、東京市場では200円で売買されている銘柄が、同時間帯のPTSでは201円で取引されることもありますので、この価格差から利益を生むこともできます。

またナイトセッションであれば、流動性の低さを利用して、別の投資家のジャンピングキャッチを誘うのです。 私たちが高値掴みをしてはいけませんが、高く売れればそれだけ利益も大きくなります。

ナイトセッションは日中の終値と異なる価格で取引されていることも多々あります。 昼間の終値よりも高い値段になることもめずらしくありません。

東証の取引が終わった後にポジティブなニュースが出て株価が高騰することも多々あり、利益を狙えるチャンスも多いです。

海外の状況を元に売買できる

夜間PTSの時間帯にはニューヨーク市場が開きます。 アメリカでのニュースや株価をチェックしながら、日本株式を買ったり売ったりできるのも魅力です。

例えば、アメリカの雇用統計が悪く、ニューヨーク市場の株価が下がった場合、翌日の日本の株価に影響することもあります。 ナイトセッションで決済しておくことで、翌日の株価下落を回避できるのです。

手数料が優遇されている

PTSは東証での売買に比べて、約5%手数料が優遇されています。 言うまでもなく、同じ株価の株式を売買するなら、手数料が安価なほうが有利な取引です。

表1. SBI証券利用時のPTSと東証での取引の手数料比較

約定代金 PTS取引手数料 東証手数料 差額
~10万円 132円(税込142円) 139円(税込150円) 7円(税込8円)
~20万円 176円(税込190円) 185円(税込199円) 9円(税込9円)
~50万円 259円(税込279円) 272円(税込293円) 13円(税込14円)
~100万円 462円(税込498円) 487円(税込525円) 25円(税込27円)
~150万円 553円(税込597円) 582円(税込628円) 29円(税込31円)

手数料は株式委託手数料とは?いつどんなタイミングで支払う?にて紹介しています。

PTSを利用するにはどうすればいい?

SBI証券に口座開設が必要です。 PTS取引を始めるための特別な手続きは不要で、東証での通常の売買と同じ方法で使うだけです。

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上述のとおり、市場最良値(SOR)で注文する市場は自動選択されます。 意図的にPTSで売買する時も、画面の切り替えボタンを操作するだけですので、パソコンやスマホの操作に不慣れでも問題ありません。

PTS利用に関するよくある質問

PTS利用に関してよくある質問をご紹介します。

最も多い質問は「PTSで買った株式は何か特別なもので、売買に制限が付く(PTSでしか売り買いできない)のでは?」です。 しかし、その心配は無用です。

PTSで購入した銘柄は、日中の東証で売ることができます。 同様に東証を通じて購入した銘柄を、PTSのナイトセッションで売却することもできます。

単に取引した市場が違うだけ程度の違いしかありません。

昼買った株式を夜間PTSで売却できる?

売却できます。

夜間PTSで買った株式を昼間東証で売却できる?

売却できます。

夜間PTSの取引は、翌営業日の東証で売買したものとみなされます。 同じ株式を繰り返し売買する時は差金決済に注意する必要があります。

差金決済にご注意!

がまぐち

差金決済とは、例えば同日中に10万円の同一の銘柄Aを購入後、それを10万円で売却し、再度5万円で購入した場合に、本来であれば計25万円のお金のやりとりが発生ところを差額の5万円だけやり取りする取引方法です。 株式では差金決済は禁止されており、必ず取引で生じた現金のやりとりを行う必要があります

例えば、あなたの運用資金が10万円だったとして、以下のような取引は差金決済に該当します。

  1. 昼間銘柄Aを10万円で購入
  2. 同日ナイトセッションで、銘柄Aを10万円で売却
  3. 同じナイトセッション中に、同じ銘柄Aを10万円で購入
  4. 銘柄Aを10万円で翌日昼間に売却(差金決済に該当)

差金決済に該当した銘柄は、その取引時間中の売買が制限されます。 特に株価が下落して損失がでていると、やきもきすることが多いです。

同一銘柄の売買を繰り返す場合には注意が必要です。

スマホやタブレットでも利用できる?

もちろん利用可能です。

「PTS専用の取引アプリ」はありません。 普段使うSBI証券取引アプリからPTSへ発注できます。

PTSで取引できない銘柄はありますか?

あります。

例えば、iシェアーズ新興国債券ETFのように、PTSでの売買は常時停止している銘柄もあります。 このような銘柄はPTSで売買できません。

また、企業の合併や民事再生法手続きなど、重要ニュースの発表時に取引を停止するケースもあります。 取引を継続するか否かはSBIジャパンネクスト証券が判断しているので、一概に「このケースでは停止する」とは言えません。

PTSで買った株式に株主優待や配当金はつきますか?

はい、対象です。

ただし、権利確定日に売買する時は注意なさってください。 上述の通り、夜間PTSは翌営業日の取引とみなされますので、権利確定日当日の夜間PTSに株式を買っても手遅れです。

土日は取引していますか?

いいえ、していません。

まとめ

以上をまとめると、

  • PTSを利用するためにはSBI証券の口座開設が必要
  • PTSはデイセッションとナイトセッションの1日2回。ナイトは帰宅後に楽しめる!
  • PTSを通じて買った株式でも株主優待も配当金ももちろん受け取れる

なお、PTS以外にも、夜リアルタイムで取引できる金融商品はいくつかあります。 また、リアルタイム性はなくても、多くの金融商品は夜間や休日に発注を出すことができます。

詳しくは夜21時から始める投資。夜間投資家のすすめ?日曜日に株の購入(予約)をする方法 -平日は忙しいあなたへ-をご覧ください。

昼間忙しいからと投資を諦める必要はないのです。

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