PTSって何?夜も株を買えるってホント? | インストックネット

10万円で始める株式投資編

PTSって何?夜も株を買えるってホント?

あなたが昼間働いていても、PTS(私設取引システム)を活用すれば、夜間19時以降にリアルタイムで株を売買できます。 取引の臨場感を味わうため、または手数料面でも少し優遇されていますので、一度利用してみてはいかがでしょうか?

PTSは売買主体が個人投資家で、取引量が少ないというデメリットもあります。 これを逆手に利用すれば、利益を上げるためにもメリットにもなります。 日中の株価より高値でも買ってくれる個人投資家がいるからです。

損をするか、得をするかはあなたの使い方次第です。

当初は複数の証券会社で利用できる取引制度でしたが、現在はSBI証券のみが取引に対応しています。 もしあなたがPTSを通じて夜間の株取引を始めたいならば、SBI証券への口座開設が必要です。

夜21時から始める投資。夜間投資家のすすめ?もあわせてご覧になってね。

公開:2014年5月7日 最終更新:2016年08月20日

[広告]

はじめに

株式市場は9時~15時しか開いていないため、あなたも仕事でリアルタイムの株取引ができないはずです。 会社勤めのサラリーマンはいつ株を買うの?で示したように、予約注文を利用すれば売買できるのですが、リアルタイム取引ならでは臨場感を味わうことはできません。

せっかく投資に興味をもっても、それではちょっとつまらないですよね。

そこで、夜間リアルタイムに株取引を行いたいあなたに私設取引市場(PTS)制度を紹介します。

PTSを利用できる証券会社に口座を開設すれば、夜19時以降も株取引が可能です。 晩酌しながら株の売買ができるのです。

そもそもPTSとは何?

PTSとはProprietary Trading Systemの略称で、「私設取引システム」と称されます。

平成10年に施行された「金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律」において、東京証券取引所外で上場株式の株券売買が可能になりました。 これを受けて設立されたのがPTSです。

設立当初は複数の証券会社で利用できる制度でしたが、2016年7月現在で取引できるのはSBI証券のみです。 同社では、SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する「ジャパンネクストPTS」を通じて、市場外取引を実現しています。

ジャパンネクストPTSでは、第一市場J-Marketと第二市場X-Marketの2つがあります。 ただし、私たちがそれを意識的に使い分けることはありませんので、両者をまとめてPTSと呼びます。

以下、ジャパンネクストPTSをベースに、その特徴を説明します(※)。

※2014年現在、SBIジャパンネクスト証券以外のPTSはありません。

PTS取引の特徴

PTS取引は時間帯によって2つに分けることができます。

デイセッションの特徴

デイセッション(午前8時20分から午後16時00分)は、昼間の東京証券取引所で取引時間中に平行して取引されています。 両市場での株価は必ずでも同一ではないので、より高く売れる市場で売り、より安く買える市場で買うことができます。

SBI証券では、東京証券取引所とPTS市場への同時発注を、市場最良値(SOR)注文と呼びます(図1)。 市場最良値(SOR)で出された注文では、東証とPTSのうち、より有利な条件で約定(注文が決まること)するため、普段は市場最良値注文を使うのが良いです。

明示的に東京証券取引所かPTS市場のいずれかのみに出したいときは、東証、もしくはPTSを選択します(図1)。

PTSでの発注の仕方(SBI証券利用時)

図1. PTSでの発注の仕方(SBI証券利用時)

SBI証券では、市場最良値(SOR)、東証、PTSの3つを明示的に選択して発注可能です。

市場最良値で発注すると、東証とPTSに同じ価格で注文され、先に売買が成立した側での買付(売却)になります。 成行注文時は、より価格の安い方(売却時は高い方)で自動的に成立します。

意図的に東証もしくはPTSのいずれかに注文を行うことも可能です。

PTS側に注文を出した場合には、ナイトセッションから翌日のデイセッション、デイセッションからナイトセッションへの注文引継ぎは行われません。

ナイトセッションの特徴

ナイトセッション(午後19時から23時59分)は貴重な夜間取引です。 昼間仕事で忙しいサラリーマンでも、夜PTSを利用してリアルタイムトレードを体験できることを示します。

上述の通り、PTSはSBI証券しか提供していませんので、夜間リアルタイムに国内株式を取引できるのはSBI証券のみです。

PTSのデメリット

最初にデメリットについてご紹介します。

  1. PTSで高値(安値)だから翌日も高値(安値)とは限らない
  2. 売買できないリスク「流動性」に注意

PTSで高値(安値)だから翌日も高値(安値)とは限らない

東証とPTSは別の市場ですから、PTSで株価が高いからと、翌日も株価が上がるとは限りません。 逆もしかりで、株価が安いから翌日も安いとは限りません

これは

  • PTSの売買主体が個人投資家なのに対し、東証では機関投資家も売買に参加するため、両者の認識に違いがある
  • PTSが終了した後に日経平均先物や円相場が大きく動いた

ことに起因します。

例えば、15時以降に業績を発表した企業の株式が、ナイトセッションで暴騰する場合があります。 その業績を個人投資家が好意的に受け止めたためです。

しかし、 夜間PTSでは暴騰した銘柄が翌日暴落する場合もあります。 個人投資家が好意的に受け止めた発表を、機関投資家は否定的に受け止めて大量に売りを出したためです。

このケースではナイトセッションで高値に飛びついた個人投資家は、大幅な含み損を抱えてしまいます。

筆者は、ナイトセッションで日中より高値で売りに出すのはお勧めですが、日中終値よりも高値で買い付けるのはあまりお勧めしません。 特に業績発表等で暴騰している株を購入される時には、慎重に判断されたほうが良いと思います。

売買できないリスク「流動性」に注意

日中の市場に比べ、夜間PTSは参加者がそれほど多くないため、少なからず流動性リスクを抱えます。 流動性リスクとは買いたい(売りたい)けど買えない(売れない)リスクのことで、取引の参加者が少ない時に生じます。

参加者が少ない銘柄は、下図2のように、そもそも取引が成立しなかったり極端な買値(売値)が示されていたりします。 後者の極端な買値(売値)に飛びついてしまうと、あとあと大損しますので注意が必要です。

売買する前に当日終値をチェックし、現在の価格が適正かを見てから取引することをオススメします。

東証(左)とPTS(右)での注文状況の違い

図2. 東証(左)とPTS(右)での注文状況の違い

このスクリーンショットはナイトセッションが始まって間もない19時6分ごろのものです。 どちらも同じイオン株の売買状況を示します。

PTSは個人投資家が売買主体なので、「板」はどうしても薄くなりがちです。 図中では、いくつか値が飛んで注文が出ており、例えば1735.5円のところに100株の売りが入っています。 当日の東証では1株1435.5円で取引を終えているので、この売り注文は適性な価格ではありません。

1735.5円の売りを買ってしまうと、1株あたり300円高い買い物になり、しばらくの間は含み損を抱えます。 これを高値掴み(たかねつかみ)と言い、ネット上ではジャンピングキャッチなどとも言います。

PTSのメリット

PTSには以下のようなメリットがあります。

  1. 東証との価格差を利用できる
  2. 海外の状況を元に売買できる
  3. 手数料が優遇されている

昼間多忙でも夜取引できる点も大きなメリットです。

東証との価格差を利用できる

前述の流動性リスクは、見方を変えるとメリットにもなります。 例えば、東京市場では200円で売買されている銘柄が、同時間帯のPTSでは201円で取引されることもありますので、この価格差から利益を生むこともできます。

またナイトセッションであれば、流動性の低さを利用して、別の投資家のジャンピングキャッチを誘うのです。 私たちが高値掴みをしてはいけませんが、高く売れればそれだけ利益も大きくなります。

ナイトセッションは日中の終値と異なる価格で取引されていることも多々あります。 昼間の終値よりも高い値段になることもめずらしくありません。

東証の取引が終わった後にポジティブなニュースが出て株価が高騰することも多々あり、利益を狙えるチャンスも多いです。

海外の状況を元に売買できる

夜間PTSの時間帯にはニューヨーク市場が開きます。 アメリカでのニュースや株価をチェックしながら、日本株式を買ったり売ったりできるのも魅力です。

例えば、アメリカの雇用統計が悪く、ニューヨーク市場の株価が下がった場合、翌日の日本の株価に影響することもあります。 ナイトセッションで決済しておくことで、翌日の株価下落を回避できるのです。

手数料が優遇されている

PTSは東証での売買に比べて、約5%手数料が優遇されています。 言うまでもなく、同じ株価の株式を売買するなら、手数料が安価なほうが有利な取引です。

表1. SBI証券利用時のPTSと東証での取引の手数料比較

約定代金 PTS取引手数料 東証手数料 差額
~10万円 132円(税込142円) 139円(税込150円) 7円(税込8円)
~20万円 176円(税込190円) 185円(税込199円) 9円(税込9円)
~50万円 259円(税込279円) 272円(税込293円) 13円(税込14円)
~100万円 462円(税込498円) 487円(税込525円) 25円(税込27円)
~150万円 553円(税込597円) 582円(税込628円) 29円(税込31円)

PTSを利用するにはどうすればいい?

SBI証券に口座を開設して利用します。 PTS取引を始めるための特別な手続きは不要で、東証での通常の売買と同じ方法で使うだけです。

上述のとおり、市場最良値(SOR)で注文する市場は自動選択されます。 意図的にPTSで売買する時も、画面の切り替えボタンを操作するだけですので、パソコンやスマホの操作に不慣れでも問題ありません。

PTS利用に関するよくある質問

ここではPTS利用に関してよくある質問をご紹介します。

最も多いのが、「PTSで買った株式は何か特別なもので、売買に制限が付く(PTSでしか売り買いできない)のでは」というものです。 しかし、その心配は無用です。

PTSで購入した銘柄は、日中の東証で売ることができます。 同様に東証を通じて購入した銘柄を、PTSのナイトセッションで売却することもできます。

昼買った株式を夜間PTSで売却できる?

売却できます。

夜間PTSで買った株式を昼間東証で売却できる?

売却できます。

ただし、夜間PTSは翌日の東証での売買と同じ営業日中の取引とみなされます。 同じ株式を繰り返し売買する時は、翌日昼間の取引で差金決済に注意する必要があります。

差金決済にご注意!

がまぐち

差金決済とは、同日中に10万円の商品Aを購入後、それを10万円で売却し、再度5万円で購入した場合に、本来であれば計25万円のお金のやりとりが発生ところを差額の5万円だけやり取りする取引方法です。 先物取引やFXでは一般的な取引方法ですが、株式では禁止されており、必ず取引で生じた現金のやりとりを行う必要があります

例えば、運用資金が10万円だったとして、以下のような取引は差金決済に該当します。

  1. 昼間東証で銘柄Aを10万円で購入
  2. 同日夜PTSで、銘柄Aを10万円で売却
  3. 同じPTS取引時間中に、同じ銘柄Aを10万円で購入
  4. 銘柄Aを10万円で翌日ザラ場にて売却(差金決済に該当)

特に運用資金が少ないときに陥りがちですので、同一銘柄の売買を繰り返す場合には注意が必要です。

スマホやタブレットでも利用できる?

もちろん利用可能です。

PTSで取引できない銘柄はありますか?

あります。

例えば、iシェアーズ新興国債券ETFのように、PTSでの売買は常時停止している銘柄もあります。 このような銘柄はPTSで売買できません。

また、企業の合併や民事再生法手続きなど、重要ニュースの発表時に取引を停止するケースもあります。 取引を継続するか否かはSBIジャパンネクスト証券が判断しているので、一概に「このケースでは停止する」とは言えません。

PTSで買った株式に株主優待や配当金はつきますか?

はい、対象です。

ただし、権利確定日に売買する時は注意なさってください。 上述の通り、夜間PTSは翌営業日の取引とみなされますので、権利確定日当日の夜間PTSに株式を買っても手遅れです。

まとめ

ジャパンネクストPTSを例に、PTSの特徴とその利用例や注意すべき点について説明しました。

もう少し利用者が増えれば昼間と同じように楽しめるのではないか、と思っています。 参加者が少ないと思うように売買できないため、結局参加できないといった悪循環が働くためです。

もっともっと普及して欲しいところです。

なお、PTS以外にも、夜リアルタイムで取引できる金融商品はいくつかあります。 また、リアルタイム性はなくても、多くの金融商品は夜間に発注を出すことができます。

詳しくは夜21時から始める投資。夜間投資家のすすめ?をご覧ください。 昼間忙しいからと投資を諦める必要はないのです。

いつもご覧頂き励みになります。お気に召しましたら是非シェアしてね!

上に戻る

10万円資産運用におすすめの証券会社

手数料が安く、取り扱い商品も多いため、少額資産運用に最適なネット証券です。 第三者評価機関調査で10回目の第1位に選ばれるなど人気の高さが特徴です。 安全にお金を増やしたい方に最適な、元本保証で高金利のハイブリット預金目当てで開設される方も多くいらっしゃいます。
当サイトはSBI証券をお勧めいたします

広告

広告

こちらの記事もよく読まれています

株式投資と投資信託への投資。どちらを選べば良いか

[10万円資産運用編]

株式投資と投資信託への投資。どちらを選べば良いか

株式投資と投資信託は商品性の違いから、売買ルールや値動きの違いがあります。 運用資金が少額だったり、昼間の株価の値動きが気になるなら投資信託を、短期間での大きな利益や株主優待に興味があるなら、株式投資がオススメです。

夜21時から始める投資。夜間投資家のすすめ?

[10万円資産運用編]

夜21時から始める投資。夜間投資家のすすめ?

サラリーマンの帰宅時間アンケートで最も多い夜21時に株や投資信託の売買注文を行ったとき、その注文がいつ決済されるのか、その流れを紹介。 21時からの夜間投資家を始めませんか。

サムネイル

[少額株式投資編]

会社勤めのサラリーマンはいつ株を買うの?

会社員はいつ株を買っているのか疑問に思っていますか? 実際には、Amazonでネットショッピングをする感覚で株式を売買することが可能です。 市場が閉まっている時間も予約注文ができます。

サムネイル

[少額株式投資編]

イオン株はどこで買うの?

優れた株主優待でみんなに人気のイオン株を買うまでの手順と、その優待内容についてご紹介します。

サムネイル

[少額株式投資編]

昼間働いてる方は絶対覚えておきたい逆指値の使い方

株の基本的な売買方法に逆指値というものがあります。逆指値の使い方を覚えておけば、昼間働いていても安心です。

サムネイル

[海外株式投資編]

アメリカ株(米国株)投資の始め方

10万円資産運用において、実は有力な投資対象が米国株式だったりします。 単元制度で投資単価が高い日本株式と異なり、1株から投資できる米国株式は数十ドルや数百ドルといった価格で買い付け可能です。

サムネイル

[おすすめの証券会社]

対面の証券会社とネット証券は何が違うの?

従来の証券会社は対面営業を是としており、あなたに投資アドバイス(+ 営業)を提供します。 一方、いわゆるネット証券は対面営業を行わない代わりに、取引手数料を安価に設定しています。 もしあなたが証券口座を開設するならどっち?

サムネイル

[おすすめの証券会社]

資産運用は銀行と証券会社のどちらで行うのが良いの?

資産運用を始める際に最寄の銀行やゆうちょ、JAバンクなどで相談しようとしていませんか?それはちょっと待ってください。 資産運用で選択できる商品は各金融機関によって大きく異なり、あなたの運用成績の差として現れます。もしかしたら損をしているかも?

上に戻る

広告

広告

筆者情報

アイコン

長期投資派の30代兼業投資家です。 投資を始めた初期は短期売買でガツガツと利益を追っていましたが、毎日売買するのは疲れるため、数ヶ月で飽きてしまいました。

サイトコンテンツは筆者の投資経験に基づいて作成しています。

運営者情報詳細

カテゴリーリンク

株式投資各記事

おすすめ記事

インストックネットオススメの資産運用方法

取引はスマホから

投資信託の積み立てサービスである、「投信積立」を使って長期的な資産形成を目指します。

株主優待が欲しいならイオンオーナーズカードを保有するととてもお得です。

証券口座開設時によくある質問は、

インストックネットの運営者ももちろん投資やってます。

オススメの証券会社ランキング

1位はSBI証券。低コストで圧倒的な商品量こそが万人に選ばれる理由です。

2位は楽天証券。楽天グループとの連携やMac OS用の取引アプリが魅力。

3位はSMBC日興証券。ネット取引と窓口取引を選択できる柔軟さが優しいです。

copyright(C) by インストックネット since 2014

キュレーションサイトや個人ブログ・サイトにおいて、一部、全部を問わず、インストックネットの文章の無断転載を禁じます(キュレーションサイトのリライト・盗作はDMCA侵害申し立てにて対応します)。 引用の際は、記事の出典がインストックネットであることを明記してください。

インストックネットでは、作成したコンテンツを随時「Internet Archive Wayback Machine」に保存しており、コンテンツのオリジナル性を第三者が証明できるように努めています。

各記載事項は、筆者調査の上で間違いが無いよう記述していますが、間違いが含まれる可能性もございます。 情報をご利用の際には、自己責任で利用していただくよう、お願い申し上げます。

金融商品は、商品の特性上、取引によって損失が生じる恐れがあります。 自己責任にて取引を行うよう、お願いいたします。