投資や資産運用に興味があっても、昼間クソ忙しいからそんな暇ないって話はよくある話です。ネットの投資話を見て、「みんないつ取引しているの?」と思ったりしますよね。
投資やってる人はみんな専業?
いやいや、そんなはずはありません。
現在は証券会社のスマホアプリや取引サイトを通じて、株や投資信託などの金融商品が売買できます。これは、証券会社の窓口営業時間に関係なく、原則24時間金融商品を売買できることを示します。
ここでは、転職サイトDODAのサラリーマンの帰宅時間アンケートで最も多かった夜21時に金融商品の売買注文を行ったとき、いつ注文が決済されるのか、その時間の流れについて紹介します。
夜21時からでももちろん投資できます。
以下では、「夜21時から始める投資」と題して、平日夜21時に各金融商品の注文を行ったらどのような処理が行われるかを紹介します。
帰りが遅いから、と諦める必要はありません。
なぜ夜21時からでも投資できるの?
ウェブやスマホアプリは「24時間営業」だから
ウェブやスマホアプリで時間外の発注ができるからです。野村證券や大和証券のような、実店舗を持つ証券会社は15~17時までには閉店しますが、ウェブやスマホアプリは原則24時間営業です。これは、窓口相談は昼間しかできないが、ウェブを通じた投資先の選定や発注は24時間できることを示します。
あなたが夜21時から投資を始めるとき、最初にやることは、証券会社のウェブサイトやスマホアプリを立ち上げることなのです。
これなら、21時に電車の中でもできますよね?
例外:24時間営業しないウェブサイトもあります
夜間をフル活用するなら、従来型の窓口を持つ証券会社よりも、ネット証券のほうが強いです。
例えば、例えば、みずほ証券の取引ウェブサイト(みずほ証券ネット倶楽部)は、翌1時00分~翌朝6時までサービス停止時間でログインできません。
一方、オンライン取引を重視するネット証券のウェブサイトは、メンテナンスを除けば、24時間ログイン可能ですので、深夜3時に思い立ったように株式や投資信託の選定を始めることも可能です。少なくとも、以下の5社(主要ネット証券)は、夜間停止することはありません。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- カブドットコム証券
- 松井証券
夜21時に金融商品の注文を行うとどうなる?
では、サラリーマンが夜21時にウェブサイトやスマホアプリから注文を出した場合に、各金融商品でどのように発注が行われるかを説明します。
- 国内株式:PTSを除くと、夜21時の注文は翌営業日の朝9時に発注
- 米国株式:夜21時の注文は当日の日本時間23時30分(サマータイムは22時30分)に米国市場へ発注
- 投資信託:夜21時の注文は、翌営業日15時に集計されて発注
- 債券(個人向け国債など):募集期間内なら、いつでも注文成立
国内株式
国内株式は、たった1つの例外を除いて、翌営業日の注文として処理されます。例えば、A株を1株200円で100株の注文を出せば、翌日9時に(翌日が休日ならば次の営業日)執行されます。
株の注文方法は、例えば価格に関係なく株を買いたい注文(成行注文)を出した場合には、翌日9時の東証が開くとほぼ同時に株を購入できます。価格に関係なく株を売る場合も同じです。
注文が成立しなかった場合は失効します。あなたは翌営業日に再注文を出すか、もしくはその株は諦めるか、の判断が出来ます。
国内株式の注文から注文成立(約定)までの流れ
- 1日目夜21時に注文(翌営業日の注文として受付。まだキャンセル可能)
- 翌日(2日目)の朝9時に発注(東証に発注される。まだキャンセル可能)
- 注文条件が揃えばすぐに約定
デイトレは難しいが「スイングトレード」ならできる
この注文成立までの流れを利用し、数日程度の短いスパンで株取引を行って、収益を得る手段もあります。この短期間のトレードを「スイングトレード」と言います。
数日から数週間ポジションを保有したうえで売買し、利益を確定する短期投資の手法。相場の動きを見ながらポジションの期間を判断する。
イメージとしては、以下のような感じです。
- 1日目夜21時に注文
- 翌日(2日目)日中の取引で売買成立(あなたは仕事中)
- 仕事から帰宅後、2日目日中の取引結果を元に、さらに翌日(3日目)の注文を行う
- 3日目日中の取引で売買成立(あなたは仕事中)
- 以下、繰り返し
筆者は、このようなスパンでの取引で、1ヶ月数千円~2万円程度の収益を得ていた期間もあります。まぁ、毎日の相場チェックは疲れるのでやめてしまいましたけど。
唯一の例外は「PTS取引(私設取引サービス)」
PTS市場(私設取引サービス)は夜間(~23時59分まで)でもリアルタイムに株取引できるサービスです。あなたが、どうしても株価が動くところを見ながら株を買いたい場合にはPTSの利用をオススメします。
PTSを利用するには、PTSを提供する証券会社への口座開設が必要です。各社とも、PTSを利用することで新たに生じる手数料などはありません。
- SBI証券
- 楽天証券(夜間PTSは2018年中に対応予定)
- 松井証券
当日夜間のPTS市場での取引は、東証での翌営業日の約定として扱われます。PTSを使うことで「株を売れない」といった不利益はありませんので、ぜひ一度お試しください。
海外株式(アメリカ株式)
アメリカ株式は注文を行った当日、日本時間23時30分(サマータイムは22時30分)の注文として処理されます。帰宅が遅くなっても、リアルタイム取引に参加することも可能ですね。
アメリカ株式の注文から注文成立(約定)までの流れ
- 1日目夜21時に注文(翌営業日の注文として受付。まだキャンセル可能)
- 1日目夜22時半に発注(ニューヨーク証券取引所に発注される。まだキャンセル可能)
- 注文条件が揃えばすぐに約定
海外市場は時差がありますので、各市場の開設時間はかなり異なります。例えば、ロシア株式はちょうどあなたの帰宅時間(16時~翌日1時)に取引時間を迎えています。
投資信託
投資信託は翌営業日の注文として処理されます。注文時間は、投資信託ごとに異なるものの、14時半~15時が受付の締め切り時間となり、15時を超えると翌日の注文として処理されます。
投資信託は株式と異なり、約定日は注文締め切りの数日後になる場合もあります。例えば、注文締め切り時間が15時、約定日が翌営業日である場合には、
投資信託の注文から注文成立(約定)までの流れ
- 1日目夜21時に注文
- 翌日(2日目)の昼15時に注文締め切り(これ以降は注文キャンセルできない)
- 翌々日(3日目)約定日(この日の価格で引き渡される)
※注文締め切り→約定までの流れは、投資信託ごとに若干異なります
といった流れになります。
投資信託は、株式と異なり、リアルタイム性の必要ない金融商品の1つです。じっくり時間をかけて考えたい・取引したい投資家に向いています。
https://www.instock-ex.net/archives/474
債券(社債 / 外貨建て債券 / 個人向け国債)
債券は、x月x日x時まで(もしくは募集金額に達するまで)注文を受け付けますので、債券の募集期間内であれば時間を気にする必要はありません。募集期間内のいつ買うかによって、利益・不利益は生じないのです。
例えば、2016年8月の個人向け国債は、SBI証券においては2016年8月4日16時~2016年8月30日14時までの募集期間が設定されていました。この期間内であれば、いつ注文しても問題ありません。
個人向け国債の利率は、わが国の日本国債10年を元に発行時に決められており、同一募集枠の中では、先に買ったから利率が良い、後に買ったから利率が悪いといった利益・不利益はありません。
債券の注文から注文成立(約定)までの流れ
- x月x日に債券の募集開始
- x日の夜21時に注文(すぐに約定)
- x月x日の債券の募集締め切り
為替証拠金取引(FX)
外国為替証拠金取引(FX)は、すぐに市場に発注されます。週末を除くと、日本の祝日を含め、平日は毎日24時間取引されているからです。
あなたが何時に帰宅しようが、平日ならリアルタイムに取引できるのです。
こう書くと、「じゃあ俺はFXだな」って声が聞こえそうですね。昔、筆者も夜に頑張ってFXでデイトレしてたときもあります。
しかし、FXは借金の可能性がある取引の1つで、あなたの睡眠中や会議中に相場が急変して・・・という話も稀にあります。取引時間が長いことは、気を休める暇もないことも意味します。
「デイトレで稼ぐ」って結構難しいです。
FXの注文から注文成立(約定)までの流れ
- 1日目夜21時に注文
- 注文条件が揃えばすぐに約定
深夜1時に金融商品の注文しても同じ
最後に日付をまたがないと帰宅できないあなたのために、深夜1時のケースも簡単に。
聡明なあなたならお気づきのように、深夜1時に金融商品の注文を出しても同じです。取引する市場が開いているものは即座に発注されますし、開いていなければ翌営業日以降の処理になります。
どうしても昼間は忙しい場合
ノー残業デー・プレミアムフライデーを利用してみよう
- 仕事が忙しく、スマホを見ている暇がない
- 職場ではスマホを開くと罰則がある or 機密のためにスマホは回収される
など、日中の時間を利用できない場合には、ノー残業デーを利用して、その日の夜間に注文を行う手があります。また、2017年から始まっているプレミアムフライデーを利用できる場合には、最終週の金曜夜を投資の日として活動する手もありますね。
ちなみに、岡三オンライン証券のように、プレミアムフライデーにセミナーを行う証券会社などもあります。
土曜日・日曜日を使って投資のことを考えてみよう
ただ、平日仕事が終わった後は、疲れてなかなか頭が働かないですよね。そんな場合は、土曜日や日曜日もありますので、あなたのご都合の良い時間にお試しください。
ネット証券は原則年中無休ですから。
どうしてもどうしても多忙なら、「管理不要」の資産運用を
サラリーマンが投資、というと「株で儲ける」「デイトレで一発あてる」みたいなコンテンツが人気なんですが、もっと手間がかからず、堅実に資産形成できる方法も紹介しておきます。
- 「つみたてNISA(or iDeCo)」にバランスファンドを積み立て
- ロボアド(THEOやWealthNavi)に積み立て
どちらも、ほぼ管理不要で自動的に運用できる商品です。積立代金は、毎月給与が振り込まれる口座を設定しておくと、入金の手間さえ省けます。
ちなみに、筆者のオススメは「つみたてNISA(or iDeCo) + 投資信託の積み立て」です。これなら、運用で得た利益が非課税になったり、掛け金も非課税になったり(iDeCoのみ)と、様々な税制メリットも享受できます。
https://www.instock-ex.net/archives/474
まとめ
- ウェブサイト・スマホアプリならメンテナンスを除いて原則24時間営業。但し、従来型の証券会社は夜間にサービスを停止する場合もある
- 夜21時に注文を出すと、市場が開いているものは即座に発注。開いていなければ翌営業日以降の処理となる
- 平日は疲れて頭が働かないなら、土日を利用しよう
夜は証券会社が開いていないから投資できない、という時代はもう終わっています。今は明日の株式の注文を前日夜に出せる時代です。しかも、ウェブサイトやスマホアプリを利用すれば、証券会社の営業員にコンタクトを取る必要もいのです。
平日が忙しすぎる場合には、土曜や日曜、祝日でも大丈夫。
あなたも今日から夜間投資家や休日投資家を始めてみませんか?