スタートマニュアル

※記事内に広告を含む場合があります

株式投資と債券投資は何が違うのか。どちらを選べば良いか

株式投資か債券投資か。
投資先を選ぶ際によくある悩みの1つです。

実はこの選択肢には、ベストセラーになったある書籍にて1つの答えが示されています。

投資期間が長くなるほど、株式投資は債券投資に比べリスクリターンに優れるというものです。

債券はローリスクローリターンで安定的な運用が期待できると考えられますが、それは短期的な目線で考えたときのみです。
20年以上の超長期運用では、インフレで金銭の価値も変わってしまうため、額面を返すことを重視する債券投資は不利です。

一方、株式は短期的にはハイリスクハイリターンなものの、インフレに追従し、値を上げる傾向があります。
インフレは企業業績を押し上げるからです。

短期投資で安定性を求める場合を除き、株式を選んだほうが有利です。
株式投資を選ぶ際には、投資信託を利用すると多数の企業へ分散投資できるため、1企業の倒産リスクを回避できます。

筆者はこの質問に対する1つの答えは、MSCIコクサイインデックスに追従する投資信託への長期分散投資だと考えています。
MSCIコクサイインデックスは先進22カ国の株式から構成されるため、世界的にインフレが進んでも株価が追従し、それに伴い投資信託の時価も上昇する可能性は高いからです。

スポンサーリンク

はじめに

インストックネットではこれまで

など、各金融商品の比較を紹介してきました。

今回はもっとも伝統的な2つの資産、「株式と債券」について比較してみます。

以下、株や債券を直接保有することをベースに話を進めますが、株式ものの投資信託、債券ものの投資信託を選んでもほぼ同じ話になります。
あなたが、株式の投資信託か債券の投資信託か、どちらに投資するか悩んでいる際にもぜひご覧ください。

株式投資と債券投資は何が違う?

株式投資を始めるか、債券投資を始めるかは、それぞれがどのような特徴を持っているかを把握することで選択しやすくなります。
ここでは両者の特徴を見てみましょう。

株式投資の特徴

概要は株式投資と投資信託は何が違うのか。どちらを選べば良いかでも述べているので、重要な点だけ。

株式はいつまでもお金を預けっぱなし

株式投資は原則お金は返ってきません
といっても、みんな損してお金を溶かす、といった意味ではありません。

いつまでもお金を預けっぱなしなのです。

その代わり、毎年配当金や株主優待を受け取ったり、経営権に参加できるなどのメリットを得られます。
会社の一部を保有し、会社と喜びを共有するのです。

株式市場で株を売買しても、これは株を買いたい人に売ってるのであって、持っている株式を償却(株式を消し去り、発行株数を減らすこと)したわけではありません。

あなたが持っていた株式は他の投資家の手に渡ります。
あなたは株主としての権利を失いますが、他の投資家が株主としての権利を得ます。

会社を潰さない限り、投資したお金は戻らないのです。

将来の株価はわからない

もし、現在の経済形態のままで上場企業が100年運営されるならば、その株式も100年間市場で売買し続けることができます。
大げさかもしれませんが、上場企業の中には戦後や高度経済成長期に上場し、それから現在まで数十年と上場し続けている企業もたくさんあります。

株価は、長期的にはその時の経済情勢や企業規模に基づいて決まります。
将来いくらで取引されているかは、将来になってみなければわかりません

ちなみに日本には100年以上続く企業が2万社以上もあるって知っていました?
永続性を社是にする企業もあったりするんです。

債券の特徴

概要は投資信託と債券投資は何が違うのか。どちらを選べば良いかでも述べているので、こちらも重要な点だけ。

債券は将来お金が帰ってくる

債券投資では、デフォルトを除けば、お金が戻ってきます

必ず額面を償還(返済)する約束のもとで権利が販売されるのです。

例えば、私たちになじみの深い債券である個人向け国債は3年、5年、10年の3つの商品があります。
この期限を迎えると、日本国がデフォルト宣言しない限り、お金は私たちに戻されます。

運用期間が長い超長期国債であっても、20年か30年、または50年後には返済を迎えます。

たとえ50年後に返済される債券であっても、必ず額面金額が返済されます
株式のように、将来いくらで返済されるかわからない、みたいなことにはなりません。

まとめると・・・

単純な話です。

  • 株式投資は原則無期限で将来の株価はわからない(いつも時価で取引可能)
  • 債券投資は有期限で将来返済される額は決まっている

その他に良く言われる話として、株式はハイリスクハイリターン、債券はローリスクローリターンと考えられています。
債券は元本保全性の良さから、特にローリスクな運用を好む中高年層向けの商品としてオススメされることも多いです。

書籍「ピーター・リンチの株に勝つ」では、株と債券の違いについて、以下のような表現がされています。

理屈からすれば、株式に投資した場合には、その会社のパートナーとなって成長や繁栄の恩恵を受けることができるということになるが、債券の場合には、人にお金を貸した場合と同じで、うまくいって元金が返ってきて、利子がつけばオンの字、ということになる。

ピーター・リンチの株に勝つ

株式投資か債券投資のどちらを選ぶか

では、ここからは株式投資か債券投資の違いから、どちらに投資を行うか考えます。

ポイントは下記です。

  1. どの期間運用するかで選ぶべき商品が決まる

この話を考える上で「株式投資の未来」という長期投資のバイブルが大変役立ちます。
この書籍を適宜参照する形で、どちらを選ぶか紹介していきます。

どの期間運用するかで選ぶべき商品が決まる

「株式投資の未来」では、株式と債券でそれぞれ長期投資を行った際のリスク(金融商品の値動き幅)について述べられています。

同書によれば、保有期間1年のとき株式のリスクは16%、短期国債のリスクは6%程度です。
短期的には株式はリスクが高い結果が示されています。

しかし、保有期間が長くなるほど株式のリスクは低減します。
20年を超えると、株式のリスクは3%程度になり、短期国債以下になります。

この結果は、

  • 短期的には、株式は債券よりリスクが高い
  • 20年を超える超長期では、株式は債券同様のローリスクで運用できる

ことを示します。

加えて、株式は債券よりも利回りが高めです。

同書によれば、米国市場での株式平均リターンは、世界恐慌時や第二次世界大戦直後でも平均6.5~7%程度のリターンだったと示されています。
一方、短期国債は2.9%、長期国債は3.5%のリターンだったそうです。

これらをまとめると、20年超の長期保有した場合、株式は債券に比べてローリスクハイリターンなのです。

以上を踏まえ、私たちがとるべき行動は以下です。

  • 短期的にローリスクな運用を目指すなら債券投資
  • 長期的にローリスクな運用を目指すなら株式投資

例えば、現在25歳のあなたが人生を通じた超長期投資を行うなら、株式投資を選ぶべきです。

なぜ株式投資がローリスクなのか

同書では、この結果をもたらした原因にインフレを挙げています。

株式はインフレに追従して価値が上がります。
一般に、インフレは企業業績を押し上げ株高を導くからです。

かつて、日本株式も日経平均株価が1000円未満の時代もありました。
現在の日経平均株価が17,000円程度に達したのは、日本企業が成長するとともに日本経済がインフレし続けたからです。

もし、その時代から日経平均株価に追従する商品を持っていたらどうなっていたでしょうか。
その資産価値は10倍にもそれ以上にもなっていたはずです。

日経平均株価が1000円だったとき、当時5%の値動きは50円でした。
当時にしては大きな値動きです。

しかし、現在の日経平均株価の1%は170円ですから、当時の50円の値動きはほとんど誤差範囲です。
当時はハイリスクだった値動きは、現在の価値で顧みると大したことないのです。

一方、債券はインフレに追従しません。

債券が約束するのは、償還時に約束された金額(額面)を返すことです。

しかし、将来返済されたお金がどのくらいの価値を持つかはわかりません。
お金の価値は商品との相対的な価値で決まるからです。

なぜ資産運用が必要なのか。将来生じうる2つの問題で紹介した米60kgの価格の変遷が示すように、同じ商品を買うために必要なお金の量はその時代で異なります

これに近い話が、銀行預金は投資?賢い人が預金をやめるのはなぜ?で紹介した100年定期預金です。
100年定期預金は利率こそ魅力的でしたが、元本がインフレに追従しなかったため、満期を迎えた現在は「すずめの涙」にしかなりませんでした。

将来インフレは発生するか?

超長期の株式投資がローリスクになるかは、将来インフレが発生するかにかかっています。
インフレもデフレも生じないのであれば、20年経っても株式はハイリスクな商品のままです。

バブル崩壊以降の日本は先進国で唯一デフレが発生した国です。
安価な牛丼に喜んでいた私たちには、インフレはあまり想像がつかないように感じます。

ただ、経済が成長すればインフレは発生すると考えるのが自然です。
活発な経済活動は、活発な消費も引き起こすため、物価も上がる(お金の価値が下がる)可能性が高いからです。

少なくとも、世界レベルで見ればインフレは生じるもの、と考えるのが適切だと思います。

何に投資をすれば良いか

では、この結果を踏まえ、どのような商品を選ぶべきかも簡単に紹介します。

私たちが成長銘柄を選ぶ天才的な器量を持っていれば良いのですが、残念ながら全ての人が投資の才能を持っているとは限りません。
そこで、万人が手軽に利用できる商品を選択します。

それが株式に投資する投資信託です。

例えば、資産運用のオススメはたった1つだけ!サラリーマンが知りたい資産形成術資産運用のオススメはたった1つだけ!サラリーマンが知りたい資産形成術の話が出てきます。
リンク先の記事では、MSCIコクサイインデックスに追従する投資信託(ニッセイ外国株式インデックス等)をオススメ商品として挙げています。

MSCIコクサイインデックスは世界的に著名な企業の株価から構成される指数です。
コクサイインデックスには日本企業は含まれませんが、日経平均株価やTOPIXに追従する投資信託を選べば補填可能です。

加えて、投資信託を利用する利点に投資先を分散できる点があります。

個別株式は、投資した企業が潰れてしまえばアウトですが、投資先が分散する投資信託は1社が潰れようがその影響は軽微です。
業績の怪しい企業は指数から外される可能性も高いため、より安全性の高い運用が可能になります。

まとめ

以上です。まとめると、

  • 20年を超える超長期の運用下で、株式はローリスクハイリターンな商品となる
  • 株式はローリスクハイリターンな商品となるにはインフレが必要
  • MSCIコクサイインデックスに追従する投資信託を利用すれば世界株式への分散長期投資が可能になる

です。

個人的に、MSCIコクサイインデックスを利用した世界株式分散投資は失敗する可能性の低い1つの最適解だと思っています。
実際にそれを利用した積立投資も行っています。

もしあなたが、どんな投資商品が良いかを考えていて「株と債券のどっちが優れているのだろう?」と思ったのでしたら、MSCIコクサイインデックスを利用した世界株式分散投資も1つの運用例としてオススメいたします。
このインデックスに追従する投資信託を選んで積み立てるだけですから、とても簡単です。

なお、もちろん筆者も優待銘柄とか分配金の多い銘柄なども併せて保有しています。
投資は1つの手法にこだわる必要が無いので、メインはMSCIコクサイインデックスを利用し、余剰金で個別株や債券を買うといった運用でも良いと思います。

筆者はこの話を知って、個人向け国債以外の債券はいらないかなーと最近感じ始めています。
個人向け国債を持つにしても3年程度で十分なのかもしれませんね。

他の比較記事も是非併せてご覧くださいませ!

  • 金融商品の時価は変動しますので、投資元本を割り込む可能性も承知の上で投資するようになさってください。
  • 本コンテンツで紹介している金融商品は、将来必ず値上がり・利益が生じるとは限りません。
  • 筆者調査の上で記事を執筆しておりますが、記事には不備・間違いが含まれる可能性がございます。必ず、あなたご自身が確認するようになさってください。
  • 記事執筆時点の情報に基づくため、最新の情報とは差異が生じている可能性がございます。記述と現況が異なる場合には、現況を優先いたします。
  • 記事を参照したことで生じた損失の補填や保証などは一切行いません。
タイトルとURLをコピーしました